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-Aejeong side-
『いやぁ、まさかだな』
『まさかすぎてどうしようかと思ってる。これ完全に狙ってるよね?』
『ある意味話題になるしなぁ、とは言え発表してないしそれはそれでいいんじゃない?』
そうだった、俊兄ちゃんは楽観主義なんだった。
私の日本でのドラマ出演が決まった。まずは…と俊兄ちゃんに報告したらそれ俺も出るよ、なんて言い始めるからびっくりしているところだ。
俊兄ちゃんは主演で、私はヒロインの友達の役。私の撮影の時は同じことも多い。
初めてのドラマで不安だしそれは嬉しいんだけど、逆に兄妹で出てもいいのか?なんて不安に思うのも事実。
日本の人なんて私のことほとんど知らないだろうし。
『公表するには丁度いいタイミングじゃない?』
『言うまでに撮られたらどうするの?』
『兄妹です、後に発表しますって言ったら揉み消せる』
何という強硬手段なんだ…我の兄ながら、こんなにも楽観的でいいのかと不安になる。
『でもA、活動と被ったりしない?大丈夫?』
『ギリギリ大丈夫だよ』
出来るだけどちらにも穴は開けたくない。
まあでも、きっと何とかなるだろう…なんて考えてるんだからやっぱり俊兄ちゃんとは兄妹なんだなと苦笑いする。
『Aは俺に似て演技が上手いから大丈夫だよ』
『俺に似てって言っちゃうところがだめだよね』
『あっはは、じゃあ俺仕事戻るからまたね』
『うん、ばいばい』
相変わらず兄ちゃんはかなり忙しそうだ。
私もまた新しい楽曲制作をしなきゃいけない。ドラマの撮影が始まる前に何曲か作っておかなきゃ。日本にも簡単な機材は持っていこう。
そんな事を考えながら私は機材とキーボードの置かれた机とまた向き合った。
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空歌(プロフ) - 74のお話、お兄ちゃんの生まれ年が1883年になってます〜 (2018年7月19日 23時) (レス) id: 88f7d7e50e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆーりんご | 作成日時:2018年5月15日 16時