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『ごめんください。』
そんな、女の声が聞こえた。
大将は今いないから、俺が出た。後ろから弟たちの制止の声が聞こえる。でもここでまだ動けるのは俺くらいだから。
庭に繋がる襖を開けた。
『こんにちは。私はとある本丸で審神者をしております、名をAと申します。
…薬研藤四郎様、此方の審神者様はいらっしゃいますでしょうか？』
若い。まだ二十くらいか。幼い顔立ちの女だった。その女の後ろには大将の求めていた三日月と、これ又れあと呼ばれる髭切がいた。
「……大将なら用があって自室にいる。…何の用だ。」
『まあ、そうなんですね。少々お話があったのですが……その前に、ここの空気を少し洗浄させて頂きますね。』
そう言い女はパンと柏手を打った。するとどうだろう。あんなにも息苦しかった本丸が、瘴気が漂い穢れが集まっていた本丸が、枯れ果てた大きな桜の木が、一気に綺麗に早変わりした。
久々に陽の光を浴びた。心なしか体も軽い。
これ程までにするには、どれ程の霊力が必要なのか。
今剣「あるじさま、れいりょくのつかいすぎはだめですよ！」
長谷部「幾ら霊力が豊富だといってもこれはいけませんよ主！」
『死ななきゃ安い、でしょう？長谷部？』
長谷部「そういう問題じゃ…！」
『お小言は後で聞くわ。……さて、薬研藤四郎様、其方に近付いても宜しいですか？』
それにゆっくり頷くと、女は笑って此方に近付いてきた。それは女だけでなく後ろの男士たちもだった。
単純に、綺麗だと思った。
外見だけじゃない。中身も綺麗な女だと思った。
俺が知ってるのは、あの男の汚く穢らわしい霊力だけだった。でも違う。この女は霊力がとても清く美しかった。
神は美しいものが好きだ。
その中には人間も勿論含まれている。この女は神から好かれる人間のお手本のような人間だった。
『もう大丈夫です。今まで折れずによく耐えて下さりました。』
そう女が言った。
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狐ねぇ - とっても素敵な作品です！何度も読み返してしまいます♪無理をなさらない程度に更新していただきたいです！楽しみに待っていますね♪ (2021年7月31日 16時) (
レス) id: 7b7b6482b0 (このIDを非表示/違反報告)
のん - とてもいい作品ですね！見入っちゃいました！更新楽しみに待ってます頑張ってください(*´ω`*) (2020年5月20日 14時) (レス) id: cc61122175 (このIDを非表示/違反報告)
ゆー - 更新楽しみにしてます。頑張ってください (2020年2月4日 22時) (レス) id: d5a0d81ae4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - ( ´∀｀ )b (2020年1月6日 16時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
@ - めっちゃっっ面白いです！でも、早く続きが読みたいです (2019年4月1日 15時) (レス) id: 2da2df1e9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はる
| 作成日時：2019年3月9日 12時
