ファイル44 if 敵連合 ページ44
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ある日の朝、Aは不思議なものを見ていた。
何もない空間から黒い靄が現れ、そこから男が出てきた。顔の部分には黒くゴツいマスクを被っていて、黒いスーツを着ている大きな男。
『あなたは誰ですか?ヒーローですか?警察ですか?』
「そんなヒーローだなんてとんでもない。そうだねぇ……僕は、
『敵……。私に何か用ですか。殺しにでもきてくれたんですか?』
「違うよ。」
そう言い男はAに近づき、手を差し出した。
「君を救けに来た。」
その言葉にAは驚いた。
男はヒーローでもなんでもない。しかもヒーローの真反対である敵。そんな敵が、自分を救けに来たと言ってきた。そんな男をAは鼻で笑った。
『敵が?私を救けに?……結構です。私は敵にもヒーローにも一般市民にもなれない、中途半端な人間だから。このまま特殊拘置所に入って、死んでいく方がいい。』
「本当にそう思ってるのかい?」
男はそうAに投げかける。
「本当は救けてほしかったんじゃないのかい?」
『そんな事ない。』
「誰かに手を差し伸べてほしかったんじゃないのかい?」
『違う。』
「____
本当は、死ぬのが怖いのだろう?」
『当たり前じゃない……。』
そう呟き、Aは俯いた。目には涙が溜まっている。が、それを零さないように唇を血が出るほどに強く噛んだ。
『怖い。死ぬのは怖い。本当は救けてほしかったよ。手を差し伸べてほしかったよ。でも仕方ないじゃない……誰も救けてくれなかったんだもん…。ここまできたら、もう誰も救けてくれないもん…。もう死ぬしか道はないって…わかってるけど……っ、
____死ぬのは、怖いよ……っ!』
すると、男はAの目を見つめて話し出す。
「誰も…救けてくれなかったんだね。辛かったね、知河Aさん。君は必死に耐えてきたのに誰も救けてくれなかったんだね。……誰がこんな世の中にしたんだろうね。
______もう大丈夫。僕が来た。」
そう言い、男はAに手を差し出した。
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イロハ(プロフ) - めっちゃ泣きました!こういう物語すごく好きなのでみいってしまいました! (2022年8月26日 23時) (レス) @page49 id: 679b71b669 (このIDを非表示/違反報告)
璃徒 - やばい、感動しかないです。涙でそうになりました…! (2022年1月28日 21時) (レス) @page49 id: 19b3aa7f76 (このIDを非表示/違反報告)
リア - 夢小説でこんなにのは初めてです!とても感動したし、見ていて涙が出ました。素晴らしい作品をありがとうございます! (2020年10月21日 0時) (レス) id: 1bb79351ab (このIDを非表示/違反報告)
そあ - 久しぶりに夢小説で泣きました。面白かったです。ありがとうございます。 (2020年4月27日 21時) (レス) id: 50fe801646 (このIDを非表示/違反報告)
over the rain - 泣いちゃいました。最高です (2019年11月4日 16時) (レス) id: a4bab14be1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はる | 作成日時:2018年7月21日 23時