未来の彼ら (ページ12)

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１０日目ページ12

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『爆豪くんはなんで私が見えるのかな？』

単純な疑問だった。
天使(わたし)の姿が見えた人は彼が初めて。
ナニカを感じ取る人は何人かいたけど、ここまではっきりと見えるのは初めてなんだ。

「あ"？知らねェよ」

『でもこうやってお話できて楽しいよ』

「俺は楽しくねェ」

『爆豪くんは楽しくなくても、私は楽しいんだ』

本当はもっと楽しい事したいんだけどさ、側から見たら爆豪くんしか見えないからね。

＿＿それに、私はこんな雑談だけでも楽しいよ。

その時、屋上に続く扉が、バンッ、と開いた。

『＿切島くん…』

「こんなとこにいたのかバクゴー！お前がどっか行ったら俺が探さなきゃなんねーんだからな！！」

切島くんは私を通り抜けて爆豪くんの肩を叩いた。

……爆豪くんがいるから忘れてた。私は普通の人には見えない、これが普通。私が見えないのは必然。

「つかメール見てねーんかよ！上鳴から応援要請！ちゃんと見ろよ！！」

「なんで俺があいつ救けなきゃなんねーんだよ。しょうゆ顔どうした」

「あいつ風邪引いて休業」

「体調管理くらいちゃんとしろやあいつ！！」

「ああもういいから！早く行くぞ、爆心地！！」

「…チッ

＿＿また来る」

『＿＿うん、待ってる』

そう言うと爆豪くんと切島くんは去っていった。

寂しくなんかない、悲しくなんかない。
こんなのへっちゃら。今まで耐えてきたんだから。

どんなに嘘ついたって自分の心だけは騙せねえんだぜ

[七つの大罪より]メリオダス