時の流れ 捌拾捌 ページ38
「む、無一郎兄さん!」
私はすぐさま彼の元に走る。
「久し振りですね、元気にしてましたか」
「私、貴方といっぱい喋りたいんです。この弐年。
ずっとずっと会えなかったから、話したいことがいっぱい、いっぱいあるんです」
「いろんな人に会って、上弦の壱と闘って、そして」
無一郎兄さんは少し黙って口を開いた。
「…君…だれ。君のような人、知らない」
衝撃が走った。まるで、直に雷に当たったかのように。
目は無機物を見るように冷たく、声音も、本当に知らない人を見るかのような声。
「うっ、嘘ですよね、冗談、だよね?私のたった一人の、親族なんだよ…?」
有一郎も、お父さんもお母さんも、いなくなったこの世界で、親族は無一郎兄さん、たった一人なのに。
「ごめん。思い出せない…時間の無駄だし、もう行くね」
そういって無一郎兄さんは私のもとをさっさと去った。
頭が真っ白だった。
もう、何も考えられなかった。
「囲炉裏ちゃん…顔色悪いよ」
「すみません、少し、考え事を。すぐ良くなります。心配しないでください」
「……………」
その後の会議も、何も頭に入らなかった。
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ぬき - 続きみたすぎる (2021年12月28日 10時) (レス) @page38 id: e09826d341 (このIDを非表示/違反報告)
いちごぱふぇ - 好きです。あーすごくいいところで!続きが気になります!応援しています、頑張ってください!!!!!!!! (2020年7月19日 3時) (レス) id: e2dd6d7f46 (このIDを非表示/違反報告)
時桜ミク - すごい面白かったです。続き楽しみにしてます。これからも頑張ってください。 (2020年1月29日 22時) (レス) id: 70727446e8 (このIDを非表示/違反報告)
涙-るい-(プロフ) - さろぺさん» 有難うございます!了解です!待ちますね! (2020年1月27日 4時) (レス) id: 5fa6124f9a (このIDを非表示/違反報告)
さろぺ(プロフ) - 涙-るい-さん» お願いします!でも夢主ちゃんの見た目を少し変えようと思いまして。それまで待っていただけますか? (2020年1月25日 11時) (レス) id: 84dcb5da09 (このIDを非表示/違反報告)
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