【REBORN】包容する大空 ⅩｘＸⅡ【XANXUS】 (ページ29)

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標的1433＊変わらないページ29

【ボンゴレ本部】

ボンゴレに戻った私達は九代目への報告を終え、日本に帰る準備を始めた。

なんだかドタドタした日が続いたような気がする。

そんな時間の合間に、九代目と少しのお茶タイム。

貴「ふぅ～」

九「お疲れ様。Aちゃん。」

九代目は処分の決定をゴッチャさんに委ねた。

被害を受けたのは彼らだから、それも当然か……。

ゴッチャさんがどういう判断を下すのか、それは私にも分からない。

今回の滞在はとても濃くて、辛い時間でもあった。

貴「九代目。今回の事、初めから私に任せるつもりだったんですか？」

九「どうしてだい？」

貴「……いえ。私をこっちへ呼んでくれたので。」

いや……。どうだろう……。

ただ狙われことで、こっちへ来た方が確実に安全を確保できたからかもしれない。

こっちへ来れば私はきっと事の次第を知って解決に動こうとしただろうし……。

……………ん？あれ。どっちだろう？

首を捻る私を見て九代目がクスリと笑う。

貴「…………九代目。もしかしなくても私をボスにするための準備とかしてます？」

九「おや……。そんなことはないよ。」

九代目のこの表情はどっちだろう……。

じっと見てても真意は測れない。

そりゃあ、できるだけ早く決める方がいいだろう。

私だって、ボスの話がきてからこれまで色々と考えてた。

貴「…………………。」

今は、どうなんだろう……。

マフィアのアジトとは思えない今のこの空間。

静かで、心地よく吹く風が髪を揺らす。

小さな鳥が翼を広げ、空を飛ぶ。

貴「九代目。」

九「何だい？」

貴「前に、私がボスを継げば抗争や殺しがなくなるって言ったこと、今も変わりませんか？」

九代目をじっと見る私の目には、私をじっと見る九代目の瞳が映っていた。

自然が紡ぐ音が妙に大きく聞こえて、心臓の音がいつもより早く鼓動を刻んでいる気さえする。

そんな中で九代目はゆっくり頷いた。

九「あぁ。変わらないよ。」

その言葉に、私はそっと瞼を伏せた。