スイッチを押すとき -bullet train- (ページ25)

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太陽side ページ25

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太「…願い事？難しいなぁ。」

晃「別に何でもええって。一つくらいあるやろ。」

別に欲しいものも無いし。

というか今何があるのかわからないし。

特に行きたいとこも無いし。

これといったものが浮かばない。

晃「ん、じゃあ会いたい人とかおらんの？」

太「会いたい人なぁ……」

そうやなぁ…、親には勿論そりゃあ会いたいけど…。

太「…ああ！！そういえば！！！」

確か、収容されて連行される瞬間、押さえられている母親が必死に叫んでいた言葉を思い出す。

「太陽！！貴方には兄がいるの！！何かあったら兄を探しなさい！！！」

4年間生きてきて、兄がいるなんてそんなん初耳やったけど、そん時は焦っててあんまり驚かなかった。

太「俺、会った事もない兄ちゃんがいるらしいんよ。だから、その兄ちゃんに会いたいわ！」

晃「…兄ちゃんかぁ、初耳や。じゃあ、太陽は兄貴探しやな！」

兄貴、探し？

太「何が？」

晃「みんなでここを出て、一人一人を願いを叶えるんよ！」

ここを…出るって…。

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