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「うわさみーわ」
「そんなでかいアイス食べたらそうじゃんか」
冬だし、と言って慎太郎の顔を見れば「それもそうか」と言って笑っていた。…なんで、隣歩いてるんだろう、ほんとに。
「マジでそんなにアイス食べたかったの？」
「え？まあね」
「…ふーん」
何を疑ってんの？と笑った慎太郎が家の目の前の十字路を曲がって「もう家着くからこれAが持って」と律儀に買ってくれたスイーツとジュースが入ったビニールを渡して家になんともなかったかのように入ろうとする慎太郎のパーカーのフードを思わずがしりと掴んで目の前で「ぐえ！」という些か大きすぎる声が夜の住宅街に響くので「あ、ごめん」と慌てて手を離す。
「なんだよまじで」
「…なんでもない、おやすみ」
「嘘過ぎない？」
なんか俺した？と私の顔を覗き込む慎太郎になんだか距離が近くて心臓が跳ねる。やめてほしい、今はまだ好きな人なんだからこんなに近くで見られたら普通に照れるし恥ずかしくなるもそんなことを到底口に出せるわけもなく「してない、フードごめん」あとこれありがとう、と返して慎太郎の肩を押してから家に入ろうと玄関門を潜る。
「Aさあ、北斗と、」
「え？松村くん？なに？」
「…なんでもない」
じゃあなーまた明日、と何か言いかけた慎太郎に「？うん」となりながら玄関ドアを開けて家に入ってカバンを部屋に放り投げる。早くお風呂入ってね！という親の声を聞き流して何か言いかけた慎太郎の言葉はなんだったのかな、松村くん関係でなんか聞きたかったのかな、とぼんやりしばらく思いながら湯船に浸かればそんなことを考えていたのも忘れた。立ってただけなのに結構疲れたのかな。
なんてぼんやりそんなことを思っていたのも忘れた頃、今日も今日とて暇なバイト先でまた私は松村くんと2人で棒立ちになっていた。もう話すことないって、ていうか松村くんグイグイ行ったらひかれそうだし。
暇だな…と何度目かもわからない言葉が意図せず漏れた私に松村くんがほんとにね、と返して、それで、今回は終わらなかった。
「…あ、Aさんってさ」
「え？うん」
「慎太郎のこと好きなの？」
「え」
意味がわからなかった。なんで？なんで松村くんが知ってんの！？ま、松村くんってなんだっけ、えっと、なに？ちょっと何も考えられない。バイトでしか話さない人に好きな人がバレていたなんて、落ち着けるわけがない。
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七瀬(プロフ) - lemonさん» わ〜！ありがとうございます！少しでも楽しんでいただけていましたら幸いです！たくさん更新できたらいいな〜と思ってますので最後までお付き合い頂けましたらうれしいです！ (2023年2月25日 19時) (
レス) id: 652635b4cf (このIDを非表示/違反報告)
lemon(プロフ) - ほんとにこの作品がだいすきで、 このきゅんきゅんがたまりません！！これからの更新も楽しみにしております！^^ (2023年2月22日 22時) (レス) @page16 id: b772619bf0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：七瀬
| 作成日時：2023年2月7日 22時
