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「…え、Aマジでバイト始めたの」
「マジだよ、言ったじゃん」
「いや、言ったけど」
そっかーとなんだかよくわかんない顔をする慎太郎に「慎太郎もすれば？」と言えば「…今はいいや」と眉を下げて笑われた。なにそれ、この前はしたいって言ってたくせに。
というかバイトの話なの？今日の私はいつもと違って自分で言うのなんだけどかわいいと思うんですけどね。髪は巻いてるし目はキラキラさせたし、リップだってかわいい色買ったし。今日の朝まさかバイトの話を1番にされるとは思わず少しでも「なんか今日違くね？」ぐらいは言ってくれてもいいものだけど、と思いながら一縷の望みを持っていつもより1時間早く起きるも玉砕、なにも本当に思ってないんだなとまた痛感して諦める準備がひとつ進んだ。
アピールをしてから諦める、全部してみる、色々考えて思ったけどこの考えに至ったのは全部試してみて慎太郎の反応を見たいってことなんだろう。結局諦める前に望みはあるわけで少しだけまだワンチャンスに期待している自分がいるのも嘘ではない。こうしてなにも気づかない、なにも思われないを繰り返すことで諦めるに近づこうとしてるんだなと思った。自分でも馬鹿なことしてるって思うよ、だって自分から傷つきに行ってるようなものだし。
「じゃあ今日もバイト？」
「うん」
そうぼんやりと考えていれば上からそんな声が降ってくるのに頷いて慎太郎の顔を見上げれば「てかどこで働いてんの」と呟かれる。
「家から10分ぐらいのとこ、アイスいっぱいある方のコンビニ」
「…え、北斗いんじゃねえの」
「あーいるいる、松村くんね」
てかなんか私の教育係みたいのしてくれてるよ、世界狭くてウケるよね、と笑えば「…ふうん」と目を逸らされて前を向かれた、だから興味ないなら聞くなって。
「今日行こうかな」
「ええなんでよ」
「いいだろ！コンビニ行ったって！」
「いいけどさあ〜」
だって友達と幼馴染2人ともいるなら行きたくなるよな〜とニコニコ笑った慎太郎が私の顔を見て何事もなかったように笑う。幼馴染、ね、まあそうだけど、その範疇から出ないことはもうわかってるけど。
「あと今日気合い入ってんね」
「え」
「髪とか、すげーじゃん」
バイトしかないとは思わなかったけど、とせっかく巻いた髪をぐしゃりと撫でられて「うわ！」と体を捩る。なにそれ、やめて、触られるの嬉しいような嫌なような、ずるいような。
「てかマジで何時にいんの？」
会いたいからさ、と呟いた言葉、それはきっと松村くんにだよね、たぶん。
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七瀬(プロフ) - lemonさん» わ〜！ありがとうございます！少しでも楽しんでいただけていましたら幸いです！たくさん更新できたらいいな〜と思ってますので最後までお付き合い頂けましたらうれしいです！ (2023年2月25日 19時) (
レス) id: 652635b4cf (このIDを非表示/違反報告)
lemon(プロフ) - ほんとにこの作品がだいすきで、 このきゅんきゅんがたまりません！！これからの更新も楽しみにしております！^^ (2023年2月22日 22時) (レス) @page16 id: b772619bf0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：七瀬
| 作成日時：2023年2月7日 22時
