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「あーそうだよ、でももう解散したから」
Aは何してたの…あれ、服買ってんじゃん、と私の膝の上にあるショッパーを見てそう呟くのに「うん、買い物ね」と呟く。いつか慎太郎に見せようかなって思った服、だから、なんかどんな服か言うのは恥ずかしい、のに。
「なに着んの？」
「…普通の服だよ、ぜんぜん」
「見せてよ」
「いやだよ」
「いいじゃん減らないし」
Aいっつも俺の前では俺みたいな服しか着ないじゃん、どんな服普段着てんのかなーって興味あんだけど、と笑う慎太郎に渋々仕方ないな…とショッパーを手渡せば中身を見て黙るものだから「ちょっと、なんか言えば」どうせ似合わないとでも思ってんでしょ、と肩を叩けば「思ってねえよ」と今度は慎太郎に笑われた。
「いいじゃん、俺の前でも着てよ」
「ウケる、惚れちゃうよ、私の美貌に」
なんて、もう茶化すことができるようになったよ。中学生の私なら浮かれてたかな、今も少しは嬉しいけど何かを考えて言われているわけではない言葉なのは分かっているのでそう笑って慎太郎の顔を見れば「俺惚れちゃうのかー」と眉を下げて笑っていた。
「なんかに着てくの？これ」
「…着てくよ」
あ、駅着くじゃん、と何も思われてないことを痛感して慎太郎から紙袋を奪って電車を降りれば「いや家近いんだから一緒に降りろよ」と笑われるのに「確かにそうか」と笑い返す、それで一緒に帰るんでしょ、まあ当然っちゃ当然だけどこれもなんか期待しちゃうよ、帰る頻度も段々減らした方がいいのかな。
アピールと一緒にずるいけど慎太郎のことを忘れる逃げ道も探した方がいいのかな、普通にお金ないしバイトとかした方がいいよな、と思いながらぼんやり慎太郎の横を歩いていれば今日も今日とてよく動く口だな、ずっと話してるじゃんと思ってなんだか笑えてきた。
「なに？なんで笑うの」
「いや、ほんとずっと話してるんだなって」
「今更かよ」
ずっとこうじゃん、と慎太郎が笑うのに「…ずっとそうだね」と唇を噛み締めたいのを抑えて笑う。ずっとそうだよ、楽しそうな横顔を見るのも、やめたいのにやめられなかったよ、そう思えばなんだか苦しくなって無理矢理「そういえば」と話題を変えた。
「私バイトする」
「え？なんで」
「遊ぶお金欲しいし服とかも欲しいから」
「俺もしようかな」
「どこで」
「Aと同じとこ」
「やだよ」
なんでだよ、いいじゃん、と笑う慎太郎に「ダメに決まってんじゃん」と肩を叩く。だめだよ、慎太郎のこと、諦められなくなるから、絶対。
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七瀬(プロフ) - lemonさん» わ〜！ありがとうございます！少しでも楽しんでいただけていましたら幸いです！たくさん更新できたらいいな〜と思ってますので最後までお付き合い頂けましたらうれしいです！ (2023年2月25日 19時) (
レス) id: 652635b4cf (このIDを非表示/違反報告)
lemon(プロフ) - ほんとにこの作品がだいすきで、 このきゅんきゅんがたまりません！！これからの更新も楽しみにしております！^^ (2023年2月22日 22時) (レス) @page16 id: b772619bf0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：七瀬
| 作成日時：2023年2月7日 22時
