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「…な、なんか、緊張する、どうしよう」
「幼馴染と遊ぶのに？へんなの」
「だ、だってこんなの初めてだし」
当日の朝、なんとか服に着替えて姿見の前で立ちながら震える手で携帯を握りながら電話口の向こうの友人に縋れば何かを食べながらそんな返答が返ってきた。高校で一番仲良い友達でしょうが、もっと返事してよ！と思うも最初からこいつは「はやく付き合ってくれよマジで〜あのさ〜」と言ってばかりなんだった。忘れてた。
「どこで待ち合わせしてるの？」
「あの噴水あるとこに12時…」
「あー、なるほどね…え、もうすぐじゃん」
じゃ、感想聞かせてね〜とご機嫌極まりない友人がそう言い残してぷつんと電話を切るのにいよいよ時間だなと緊張からため息をついて家を出る。
家の前とかで待ち合わせかと思いきや「駅で待ち合わせようよ、12時はやい？」とあの後メッセージが来たのに「マジでこれはさ…その…デ、デートじゃん…」と震えたのも記憶に新しい。
もうあそこの信号を渡れば待ち合わせ場所だし、もう見覚えのある姿は視界の正面にある。
「…お、来たじゃん」
寝坊するかと思ったわ、と私が声をかけるより先に私に気づき眉を下げて笑う慎太郎に「はあ？しないってば」と笑って横に立つ。いいなあ、付き合ったらこんな感じで待っててもらえるんだ、気づいた時にぱって笑顔になるの、すごく嬉しくて、私が一生その立場になることがないのが少し悲しい。
「てかそれ寒くないの？」
「え？」
「脚とか」
それ結構前に俺に電車で見せてくれた服でしょ？と笑って似合うじゃんと呟いた慎太郎が何事もなかったかのように「てか腹減らない？なんか食おうよ」と携帯を眺めだすが私は全然落ち着かない。なにそれ、そんなこと言ってくるっけ？服なんてどうでもよさそうな、何も知らない顔するじゃん、どうしよう、諦めるってなんだっけ、こんなのどうしようもなく嬉しくなって仕方ない。
ぼんやりしたままの私がにやけるのを必死に抑えながらつま先を見つめていれば「Aはなんか食いたいの…何してんの」下ばっか見て歩いてたら転ぶけど、と私の顔を怪訝な顔で覗き込んでくる慎太郎に「何もしてないから、大丈夫」と平然を装って笑う、バレたら恥ずかしくて終わる、いや終わるならいいんだけど、なんか難しいな。
「…あ、ここ」
「ここ？」
ぴた、と私が思わず足を止めてしまったのはクラスの友達が「ここ美味しいしお店も可愛いんだよ〜」と話してくれたカフェを目の前にしたからだった。
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七瀬(プロフ) - lemonさん» わ〜！ありがとうございます！少しでも楽しんでいただけていましたら幸いです！たくさん更新できたらいいな〜と思ってますので最後までお付き合い頂けましたらうれしいです！ (2023年2月25日 19時) (
レス) id: 652635b4cf (このIDを非表示/違反報告)
lemon(プロフ) - ほんとにこの作品がだいすきで、 このきゅんきゅんがたまりません！！これからの更新も楽しみにしております！^^ (2023年2月22日 22時) (レス) @page16 id: b772619bf0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：七瀬
| 作成日時：2023年2月7日 22時
