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「…うわっ、おいしそう！」
結局あの後ぶつぶつ2人で「私は看板の前で足止めて眺めてただけ、北斗くんが食べたかってたから付き合うだけだから」「いや違うでしょ、俺よりずっと食べたそうにしてたじゃん」「そんな食い意地張ってないし、そっちなんてちょっと涎垂れてたじゃん」「垂れてねえよ」なんて不毛な喧嘩をしていれば目の前に運ばれてきたプレートにもう私たちは釘付けだった。結局争いは同レベルのところでしか起きないのだ。
「おいしい！超おいしい！歯磨きたくない！」
「汚ねえ、磨けよそれは」
「比喩だよめんどくさいな、いちいち正論だるいって」
「キレすぎだろ」
「私の美味しいに水刺すやつは全員こうだよ、ブチギレるからね」
そう言って口いっぱいに幸せ(スイーツ)を頬張っていれば目の前の北斗くんの皿も目に入って「ねえくれるんじゃないの？」となんともまあがめつい言葉が飛び出した。
「おいしくてあげたくない」
「えっいやそれはないでしょ」
「嫌だ」
俺抹茶好きなんだよな、と顔だけでなく食べ方まで綺麗な北斗くんは完全に私のことなんて忘れて美味しそうに目の前のスイーツのことしか考えられていないらしく、ひたすらにフォークを口に運び続けている…いやいや待ってよ、そっちが抹茶くれるって言ったから私はキャラメルにしたのに！そんなんってないよ！ひどい！
「………そんな悲しそうにしなくてもいいじゃん」
冗談だから食べなよ、そう言ってお皿をこちらに差し出した瞬間私はもう悲しい気持ちなんて吹っ飛び、次の瞬間には北斗くんが多分美味しかったのか最後まで残していたであろう抹茶のガトーショコラにフォークを刺していたし、口に気づいたら運んでいた。うっま、やばすぎる。
「お、まえ、全部持ってったのマジで……」
許せない…と最初に会ったときからほとんどされてなかったお前呼びをするぐらいには気が動転してしまったらしい。もごもごとガトーショコラを頬張りながら「ほいひい、ひゃいこう(美味しい、最高)」と手でグットマークを作って笑って見せれば「そりゃ美味しいでしょうよ」と今度は北斗くんが悲しそうな顔をしてしまった。ええ、ごめん、そんな悲しそうな顔しないでよ…
「まあ私のもあげるから」
「当然ですけど」
「好きなのいいよ…待って待って待ってそれはだめ！嫌！」
「これ美味しいんでしょ」
なんてどこか楽しそうに笑った北斗くんは私が大切に残しておいたフロランタンを一口で行きやがった、なにこいつ、絶交！！！
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七瀬(プロフ) - 朱音さん» ありがとうございます！ヒロインごと好きになって頂けて嬉しい限りです！かなり話数もあるのに最後までお付き合い頂いて本当に嬉しいです…！他のお話も時間がある際にでも宜しければご覧ください。コメントありがとうございました！ (2023年2月7日 20時) (
レス) id: 652635b4cf (このIDを非表示/違反報告)
朱音(プロフ) - 大好きです！愛されるべきヒロインな夢主と、図書委員の北斗くんが良すぎて一気に読み切ってしまいました、ピュアピュアな夢主と拗れてる北斗くんをナイスアシストしすぎた樹に助演男優賞をあげたいです。他の世界観も読みたくて、他の物語も楽しく拝見させて頂きます！ (2023年2月6日 1時) (レス) @page49 id: 5dbaf83bc8 (このIDを非表示/違反報告)
七瀬(プロフ) - そぼろPさん» 最後までお読み頂きありがとうございました！お楽しみ頂けて嬉しい限りです！ありがとうございます！最後までお楽しみ頂けていたら幸いです。次回作もお楽しみ頂けましたらありがたいです！ (2023年1月2日 22時) (レス) id: 652635b4cf (このIDを非表示/違反報告)
七瀬(プロフ) - akikumaさん» 最後までお読み頂きありがとうございました！最高のお言葉頂けて嬉しい限りです、、！次回作までありがとうございます！よろしければお楽しみ頂けましたら幸いです！ (2023年1月2日 22時) (レス) id: 652635b4cf (このIDを非表示/違反報告)
そぼろP(プロフ) - 完結おめでとうございます！とても楽しく拝見させていただいていました。終わり方もとてもすごく好きで、全てが好きな作品でした。次回作も楽しく読ませて頂いてます！ (2023年1月1日 20時) (レス) @page46 id: cdebdf4adb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：七瀬
| 作成日時：2022年12月4日 22時
