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会計を済ませて外に出ると、ディルックは「 帰ろうか 」とこちらを振り向いた。ちなみにあのダークマターは正直に店員さんに話して下げてもらった。ごめんなさい。
モンド城の入口が見えてきたところで私は足を止める。そういえば風車アスターを活ける花瓶が欲しいと思っていた。近くに花屋があったはずだからついでに見に行きたい。そうディルックに伝えると、彼はもちろんいいよと了承してくれた。
閉店時間ギリギリだったけれど、店主のフローラはまだ店の前で草花に水やりをしていた。
「 こんばんわ、花言葉へようこそ 」
「 こんばんわ。花瓶が欲しいんだけど、ある？ 」
「 もちろん。どれでも好きなのを選んでね 」
フローラが見せてくれたたくさんの花瓶の中から、私はデザインのないシンプルなシリンダーの花瓶を手に取った。これなら花がよく映えるし水の入れ替えも簡単だろう。
私はお金を渡し、綺麗に包装してもらった花瓶を受け取った。あまりディルックを待たせては申し訳ないとすぐに戻ろうと思ったが、ピタリと足が止まる。
「 ん？ あら、ディルック様がいる。珍しいこともあるのね 」
フローラは閉店の用意をしながらそう言った。
ディルックは知らない女の子と話していた。短めの茶髪を二つに結んだ可愛らしいその女の子は顔を真っ赤にしている。感情というものを最近 理解し始めた私でも、あの子がディルックに抱いている気持ちの名前が分かった。
「 ま、ままままままさかお会い出来るとは思っていませんでした！ 今日はお、お仕事は…… 」
「 僕も休むさ。たまには息抜きも必要だからね 」
私はその場に足が縫いつけられたかのように動けずにいた。花瓶を買えたのだから声をかければいいのに、何故だかあの二人の間に入りたくなかった。
「 ドンナはディルック様のことが大好きなのよね。ふふっ。あの子がいっつも妄想していること、私は知っているの 」
「 彼女はドンナというの？ 」
「 うん。ここでアルバイトをしているの 」
フローラは、ドンナはディルックの大ファンでいつもあれやこれやと妄想を膨らませていると話した。「 ふぅん 」思いのほか、私の口からは面白くない声が漏れた。
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しゅた - 本当に面白いです！！きゅんきゅんして見てます！！！更新頑張ってください！ (2023年2月13日 12時) (
レス) id: 7bb104c929 (このIDを非表示/違反報告)
りり(プロフ) - 楓さん» うわあ！お返事遅くなりました！ありがとうございます！！その辺も書いてきますよ〜✍🏻 (2022年12月29日 19時) (レス) @page38 id: adb855f002 (このIDを非表示/違反報告)
楓(プロフ) - ダァッ！！！！続きが気になります、、、主ちゃん一体何者なんだ、、 (2022年12月11日 13時) (レス) @page45 id: 4c22f265eb (このIDを非表示/違反報告)
りり(プロフ) - ふわなさん» こんにちは！コメントありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです。しばらく毎日更新ですので良かったらまた覗きに来てください。 (2022年11月22日 18時) (レス) id: adb855f002 (このIDを非表示/違反報告)
ふわな - コメント失礼します！お話がとっても素敵で読むのが止まりませんでした！これからも更新頑張ってください！応援してます！ (2022年11月22日 13時) (レス) @page14 id: 71a4ce2144 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りり | 作成日時：2022年11月21日 3時
