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私の頭の上に顎を乗せたガイアがくつくつと笑った。こっちは笑ってなんていられないのに、気楽なものだ。
「 そ、それじゃあガイア。また。送ってくれてありがとう 」
「 おう。またな、A 」
ガイアから離れてそう言うと、彼は私の目尻にキスをした。ゾワッと背筋が凍る。いや、ガイアの行為ではなく背後からの恐ろしい殺気に。面白いもの見たさにふざけるのはやめてほしいものだ。ガイアの後ろ姿を見送り、私は恐る恐る後ろを振り向いた。
めちゃくちゃ怒っている。俯いていて顔色は伺えないかと思えば、髪の隙間から鋭い眼光が見え隠れしている。あぁ、また警戒心がないって怒られてしまう。
「 ご、ごめん、ディルック… 」
彼にそっと近づくと、ディルックは城壁から背を離して歩き始めた。慌てて隣につくが、いつものように歩調を合わせてくれていないらしい、なかなか追いつけずに小走りになる。
「 ディルック、ごめん。けどいつもガイアは突然なんだ 」
ピタリとディルックが足を止めた。もう喧嘩なんてしたくないので私は必死に謝る。
「 ガイアはいつも面白いものが見られるって言う。ディルックの反応を楽しんでいるんだ 」
「 ……本当にそれだけかな 」
「 え？ それ以外にあるの？ 」
考えてみるがよく分からない。ガイアが私にああやって触れるのは、決まってディルックがそばにいる時だ。…ん？ 聖堂前では頭に腕を乗せられたが、あれは触れるに入らないか。
ディルックは私のことをじっと見ると、急にゴシゴシと私の目元を拭い始めた。ガイアに触れられたところだ。
「 あたっ、い、な、何をするの、ディルック 」
「 ムカつく 」
「 む、ムカつく？ ディルック、今、ムカつくって言った？ 」
腹が立つとか言いそうなものなのに、ムカつくって。言葉を選ぶ余裕もないほどに怒りでどうにかなっているのだろうか。
されるがままにしていると、ディルックは私の目元を拭った姿勢のままピタリと固まる。そしてそのまま手は頬に移動して少しづつ距離が近くなっていく。
「 ガイアに警戒していなかったから、また分からせるの？ 」
「 ！ 」
少し動けば唇が触れるという距離で私がそう言うと、ディルックは大きく目を見開いて固まった。そんなに変なことを言ったつもりはないんだけどな。
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しゅた - 本当に面白いです！！きゅんきゅんして見てます！！！更新頑張ってください！ (2023年2月13日 12時) (
レス) id: 7bb104c929 (このIDを非表示/違反報告)
りり(プロフ) - 楓さん» うわあ！お返事遅くなりました！ありがとうございます！！その辺も書いてきますよ〜✍🏻 (2022年12月29日 19時) (レス) @page38 id: adb855f002 (このIDを非表示/違反報告)
楓(プロフ) - ダァッ！！！！続きが気になります、、、主ちゃん一体何者なんだ、、 (2022年12月11日 13時) (レス) @page45 id: 4c22f265eb (このIDを非表示/違反報告)
りり(プロフ) - ふわなさん» こんにちは！コメントありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです。しばらく毎日更新ですので良かったらまた覗きに来てください。 (2022年11月22日 18時) (レス) id: adb855f002 (このIDを非表示/違反報告)
ふわな - コメント失礼します！お話がとっても素敵で読むのが止まりませんでした！これからも更新頑張ってください！応援してます！ (2022年11月22日 13時) (レス) @page14 id: 71a4ce2144 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りり | 作成日時：2022年11月21日 3時
