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「 おいおい。Aに当たったらどうするつもりだったんだ 」
「 彼女から離れろ。今すぐにだ 」
── 隠忍自重。冷たく、低く、けれど怒りと苛立ちを隠しきれていない声だった。
ガイアから離れて目を開くと、両手剣を手にこちらに歩み寄ってくるディルックの姿。いつも優しいディルックがこんなにも怒っているところを見るのは初めてだった。きっと何も言わずに離れたから怒っているんだ。……でも、それだけで彼はモンド城で剣を振るうだろうか。
「 ディルック、勝手に離れてごめん。怒らないで 」
「 僕は怒ってなどいない。冷静さ 」
「 本当に冷静なら剣を振るったりしないだろ 」
「 ……ガイア 」
バチバチ。ディルックとガイアの間に火花が見えるような気がする。また一悶着 起こりそうなので、私は慌ててディルックに駆け寄った。
「 ほ、本当にごめん、ディルック。屋敷に戻ろう 」
「 ……ガイア。君にだけは渡さないよ。絶対にね 」
「 俺には何を言っているのかさっぱりだな 」
ディルックは私の話を聞かずに真っ直ぐにガイアのことを見ている。あまり騒ぎを大きくすると騎士団がやってくるかもしれないので、早くモンド城を離れたい。…あ、ガイアも騎士団か。
「 ……行こうか、A 」
「 えっ 」
ディルックはいつもの優しい声色で私に話しかけて、見せつけるかのようにぎゅっと手を握ってきた。こんな風に触れられるのは初めてで少し驚く。そのままぐいっと引っ張られたので、私は後ろを振り向いてガイアに手を振った。
「 ガイア、また会おう！ アドバイスありがとう！ 」
「 ……その一言、余計に火をつけるだけだぜ 」
ガイアは手を振り返してくれたけど、何を言ったかまでは聞き取れなかった。
ディルックは私の手を引いたままモンド城の外へ出る。屋敷に戻るまで私たちの間に会話はなかった。彼との間に流れる沈黙は苦ではないと思っていたけれど、今だけはなんだか胸の奥がズキズキと痛んでしょうがない。
屋敷に着いて私は彼の自室に連れてこられた。ようやく手を離してもらうと、俯いて謝罪の言葉を口にする。
「 ディルック、ごめん。……そんなに怒ると思わなかった 」
「 僕が怒る？ それは、何に対してかな 」
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しゅた - 本当に面白いです！！きゅんきゅんして見てます！！！更新頑張ってください！ (2023年2月13日 12時) (
レス) id: 7bb104c929 (このIDを非表示/違反報告)
りり(プロフ) - 楓さん» うわあ！お返事遅くなりました！ありがとうございます！！その辺も書いてきますよ〜✍🏻 (2022年12月29日 19時) (レス) @page38 id: adb855f002 (このIDを非表示/違反報告)
楓(プロフ) - ダァッ！！！！続きが気になります、、、主ちゃん一体何者なんだ、、 (2022年12月11日 13時) (レス) @page45 id: 4c22f265eb (このIDを非表示/違反報告)
りり(プロフ) - ふわなさん» こんにちは！コメントありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです。しばらく毎日更新ですので良かったらまた覗きに来てください。 (2022年11月22日 18時) (レス) id: adb855f002 (このIDを非表示/違反報告)
ふわな - コメント失礼します！お話がとっても素敵で読むのが止まりませんでした！これからも更新頑張ってください！応援してます！ (2022年11月22日 13時) (レス) @page14 id: 71a4ce2144 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りり | 作成日時：2022年11月21日 3時
