Existence8 ページ8
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風の噂で____“羊”という未成年で構成された反撃主義の組織、その長である“羊の王”がポートマフィアに協力させられているらしい。
“羊の王”は太宰と同い歳の少年で、強力な異能を持ち合わせている、とか。
整にとってマフィアが誰を利用しようと何をしようと興味は無かった。ならば何故森に協力しているのか。
それは____ヨコハマの均衡を必要としているから。
「森先生がポートマフィアの首領に成ることで、ヨコハマの均衡が守られるなら」という条件で証拠隠滅を受諾したのだ。
森は先代首領のような暴政は行わないだろうが、何事も新体制に変われば争いは付き物だ。そのうち、大規模な抗争が必ず起こる。
それでも、その先に“均衡”があるなら。誰かが犠牲になっても仕方のない事だ。その“誰か”には無論、自分自身も含まれている。
「……元気に、してるかな」
窓から雲一つない空を眺めて呟いた。整にとって大事な人がヨコハマに居る。その人は、抗争とは無縁の生活をしている。
森に協力する前は、怪我人なら誰でも診るという
貧民街や抗争地帯が自分の庭であり、食糧や日用品を求めに街中へ赴けば、平和な世界に遭遇する、そんな生活だった。
二、三年前だろうか。その人が女性に手を引かれ、楽しそうに笑っていた姿を見かけた。生きているのなら、幸せそうなら、それだけでいい。
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「手前道草食ってる暇は」「はいはい一寸静かにし」「んじゃねぇぞコラ!」
室内の平均年齢が下がった。少年二人の口論は見ていて微笑ましい。念の為もう一度云うが、
「君が例の“羊の王サマ”、か」
太宰と口論を繰り広げる
「俺は王じゃねぇ」
「それなら、“鬼札”という例えの方が相応しいかな?」
“羊”の構成員は未成年のみ。どれ程武装しようが、練度は粗末なものである。彼らが身を守り、縄張りを守るには絶大な強者が必要だ。
その役目に抜擢されたのが、“羊の王”であった。望まずして周りから持ち上げられ、長という立場になった少年。
整は羊の王____中原中也に僅かな同情の眼差しを送った。
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一言日記
髪伸びてきたな、自分で切ろうかな。
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歌恋 - 続きが楽しみです!お話が自分の性癖にドストライクでした… (12月31日 20時) (レス) @page13 id: 48a7de9cc2 (このIDを非表示/違反報告)
Ashar(プロフ) - 姫歌さん» 姫ちゃんお久しぶりです! ありがとう! 色々落ち着いたからまた細々更新していきます〜! (2019年8月14日 17時) (レス) id: 1b24626048 (このIDを非表示/違反報告)
姫歌(プロフ) - おひさしぶりです。相変わらず最高でした! (2019年8月3日 18時) (レス) id: d8a4d97043 (このIDを非表示/違反報告)
Ashar(プロフ) - 小太刀さん» わぁい! ありがとうございます!! (2019年6月2日 17時) (レス) id: 1b24626048 (このIDを非表示/違反報告)
小太刀 - え、かっこいい好き (2019年6月2日 14時) (レス) id: 5299f2ee2b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Ashar | 作成日時:2019年6月2日 0時