Existence5 ページ5
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白いシーツに珍しいアッシュグレーの髪はよく映える、と太宰は思った。
起きている時とは随分雰囲気が違う。先刻は軽いノリの人だと思ったが……今は何と表現すればいいのだろう。
表情は無に等しいが、哀愁すら感じさせる、何処か寂しい何かを纏っていた。
｢んぁ……？｣
気配に気づいたのか、焦点の定まらない金の瞳が太宰を見つめた。
｢怖い夢、見た？｣
整は柔らかく微笑み、太宰の頭を撫でた。
もしかして……この人、寝惚けてる？
何も答えずにいたからだろうか、整は両手で太宰の身を引き寄せた。意外と力が強く、寝台に一緒に寝る形になる。肩の外套が音を立てて落ちた。
｢一寸！｣
｢大丈夫、何も怖い物なんかないよ……
太宰を抱き寄せ、赤子をあやす様に優しく背中を撫でる。始めは抵抗していたが、痩せっぽちの太宰では大人の力に適わない。
諦めて大人しくすると隣から心地良さそうな寝息が聞こえてきた。とくんとくん、と心臓の鼓動。ふんわり香るいい匂い。
＿＿＿＿嗚呼、厭になる。このまま身を任せば、死への渇望が消えてしまいそうだ。
折角、森さんの弱点を用意したのに。
これじゃあ、楽に死ねる方法を聞き出す以前の問題じゃないか＿＿＿＿
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眠りと覚醒の中間を彷徨いながら整は重い瞼を押し上げた。
よく見る悪夢を今も見ていたが、温かいものを抱き締めてからはよく眠れた気がする…………温かい、もの？
｢お早う、伊藤サン。いい加減離してくれないかな｣
胸元から僅かに怒気を含んだ少年の声がする。黒い蓬髪がもぞもぞと動いた。整はへらりと笑った。
｢なぁに、寂しくなって俺のとこ来たの？ 可愛いとこあるねぇ、太宰クン｣
突如、鈍い音が響いた。整は顎を抑える。声にならない痛みを堪えているのか、丸めた背中が僅かに震えていた。
痛みに悶えている為、太宰の顔は見えないがきっと冷たい視線を投げられているのだろう。背中が痛いぞ。
｢伊藤サンも森さんと同じ人種なんだね｣
｢いやいやいや、森先生と一緒にしないでくれるかな！？
あの人はそういう嗜好があるけど、俺は違うからね！？ 寝惚けてただけだから！｣
整の弁明も虚しく、面倒くさそうに太宰はそう、とだけ答えた。
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一言日記
髪伸びてきたな、自分で切ろうかな。
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歌恋 - 続きが楽しみです！お話が自分の性癖にドストライクでした… (12月31日 20時) (
レス) @page13 id: 48a7de9cc2 (このIDを非表示/違反報告)
Ashar(プロフ) - 姫歌さん» 姫ちゃんお久しぶりです！ ありがとう！ 色々落ち着いたからまた細々更新していきます〜！ (2019年8月14日 17時) (レス) id: 1b24626048 (このIDを非表示/違反報告)
姫歌(プロフ) - おひさしぶりです。相変わらず最高でした! (2019年8月3日 18時) (レス) id: d8a4d97043 (このIDを非表示/違反報告)
Ashar(プロフ) - 小太刀さん» わぁい！ ありがとうございます！！ (2019年6月2日 17時) (レス) id: 1b24626048 (このIDを非表示/違反報告)
小太刀 - え、かっこいい好き (2019年6月2日 14時) (レス) id: 5299f2ee2b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Ashar | 作成日時：2019年6月2日 0時
