親子 ページ5
工藤夫妻は2人で顔を見合わせると、嬉しそうに笑った。
「おまえが自分の意見を言ったのは何年ぶりだろう」
「ほんとね。あなたの記憶が無いくらい小さい時はよくわがまま言ってたのに……」
私を見て有希子さんが悲しそうに目を潤ませた。それを見て、罪悪感で胸が苦しくなる。
私は、本当の娘じゃないから。
「パパもママも、Aがやりたい事は何でもさせてあげたいと思ってるの。とことんやってみなさい！」
「ただし、勉強も頑張るんだぞ」
「ありがとう。お父さん、お母さん」
笑顔の2人を交互にみる。なんだかムズムズして、テーブルを回って2人の元へ走った。
2人とも椅子をおりて私を受け止めてくれた。
泣くつもりなんて一切なかったのに、何故かただただ静かにこぼれた。
いつの間にか新一も近くに来ていて、私の頭を乱雑に、でも優しく撫でてくれた。
泣き止んだ頃には、ただただ羞恥心が残った。
顔を赤くしてみんなを見れなくなってる私を、3人はクスクスと笑った。
「母さん、俺もう腹ぺこぺこだぜ」
「ああ！そうだったわね！」
すっかり忘れてたわ〜。
そう言って夕飯の支度をバタバタとし始めた有希子さん。
「手伝うよ、お母さん」
「ありがとう〜Aちゃん！Aちゃんが手伝ってくれるなら百人力ね！」
可愛らしくウインクしてみせる有希子さん。
私もこんな風にいつまでも可愛い大人の女性になりたい。心の底からそう思った。
私にかかれば本当にあっという間に出来上がった夕飯を、家族揃って食べる。
心がほわほわして、くすぐったくて。私は終始彼らをまともに見ることができなかった。
それでもなんだか一緒にいたくて、いつまでもリビングで過ごした。
優作さんがもう寝ようと言い出したのは日付を跨ぐ前だった。
なぜだか目が冴えていて、私は1度だけ「もう？」と呟いた。
「泣いたんだもの、疲れてるはずよ。それとも、私達と一緒に寝る？新ちゃんも一緒に♪」
それを聞いた新一はゲッと言う顔をして全力で首を振った。
「ううん、大丈夫。1人で寝るよ。おやすみなさい、お父さんお母さん」
「ああ、おやすみ」
「いい夢をね」
2人がおでこにキスしてくれるのを、首をすくめてはにかんで受け入れた。
新一と一緒に部屋の前まで戻り、扉の前で彼を振り返った。
「お兄ちゃん、おやすみなさい」
「おー。おやすみ」
くしゃくしゃと頭を撫でられ、新一が部屋に入ったの見て、私も部屋へと入った。
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季 - 超超超面白いかった (7月30日 10時) (
レス) @page19 id: 20f0d382e7 (このIDを非表示/違反報告)
まみこ(プロフ) - 更新頑張ってくださーい！！応援しています！！ (2022年8月31日 4時) (レス) @page19 id: 9d3f4398ec (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - この小説とても好きです。NlLさんこれからも頑張ってくださいm(_ _)m次の更新楽しみに待っています! (2022年5月30日 21時) (レス) id: 158cb424c8 (このIDを非表示/違反報告)
NIL(プロフ) - 侑さん» ありがとうございます(´；ω；｀)そして遅くなりました！是非これかも宜しければ読んでください(´；ω；｀) (2022年5月28日 10時) (レス) id: 62c4f4c405 (このIDを非表示/違反報告)
侑(プロフ) - 書きます書きます！！喜んでもらえるとあらば！！Twitterの方でも反応させていただきます！！ (2022年3月27日 22時) (レス) @page13 id: 8afc6fd8a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：NIL | 作成日時：2020年6月28日 22時
