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「ヤバい…、バイトの時間!」

あのあと朝ごはんも食べずに、さんざんベッドに籠った結果、二度寝してしまい。

慌ててベッドから飛び起きた。

…てか、当然何も着てないわけで。

すぐにベッドの中に逆戻り。

ベッドの下に落とされた服を拾おうと手を伸ばしていたら、

むくっと起き上がった北斗が、長い腕を伸ばして私の服を拾ってくれた。

「…着るの?」

「着るよ
バイトに行かなきゃ」

「…そう
まだ少し時間があるから、ごはん食べて行きな」

その言い方はまるで母親みたいなくせに、

スウェットの下だけ履いて、上半身裸でキッチンに立つその姿は、爆弾級の破壊力で。

その綺麗な背中のラインに、私はずっと見蕩れてしまっていた。

大急ぎで服を着込むと、朝と同じように北斗の背中に抱きついてやる。









「A…、危ないんだけど」

「私ね、北斗の背中が大好きなんだ」

そう告白したら、

「…そう」

一拍置いて、普通にそう返されたけど、絶対ニヤけてたはず。

北斗の体に触れているだけで、顔を見なくても感情が読めるようになったから、最近の私は。

「今日は何時に帰んの?」

私を体に巻き付けたまま、諦めたのか北斗は調理を続ける。

「20時頃かな
北斗は?」

「23時までには帰ってこれるかも」

「ごはんは?
一緒に食べる?」

「いいけど
待てんの?A」

「…待てるよ」

「とりあえずカレーを作って冷蔵庫に入れとくから、我慢できなくなったら先に食べてていいよ」









その夜の私は、北斗が帰ってくるまで空腹と戦いながらいい子で待ってた。

なのに…。

北斗が帰ってきたのは、日付が変わった頃で。

何故かテンション高めに、スマホの画面を見せつけてくる。

「A、ちょっとこれ見て」

そこに映ってるのは、かなり古そうな洋館で。

たぶん廃屋なんじゃないかなってくらい、鬱蒼とした感じ。

「…何?この写真」

「バイト先の先輩のおばあちゃんの家なんだけど
おばあちゃんが去年、老人ホームに入ったから今は空き家なんだって」

北斗が早口な時は、かなり興奮してる時なわけで。

この先、北斗が何を言い出すのか、なんとなく想像できた。

「格安でここ、貸してくれるんだって
いずれ取り壊す予定だけど、あと数年は置いとくからって
大学からも近いし、引っ越そうかと思って」

…やっぱり。

私達、このままこうして仲良く暮らしてくんじゃなかった?

北斗はこの部屋に住むのが不満だったってこと?

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わかめ(プロフ) - き之いさん» コメントありがとうございます。はい、キスマイで書いてます(/ω\)書き方そっくりでしたかwwキスマイの方からもこちらに行けるようにしてるんで、とっくにバレてると思ってました。こちらも向こうも、どうぞよろしくお願いしますm(__)m (2019年4月28日 22時) (レス) id: 9f29bca2de (このIDを非表示/違反報告)
き之い(プロフ) - もしかしてなのですが別垢でキスマイのお話書かれていますか?書き方がそっくりでずっと引っかかってました!私もキスマイとストの掛け持ちなので嬉しいです(^^) (2019年4月28日 21時) (レス) id: 94026d8f4b (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - ふまほくさん» そう言っていただけて嬉しいです。かなり更新遅めですが、どうぞよろしくお願いしますm(_ _)m (2019年4月28日 10時) (レス) id: ba720923d0 (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - 雄也Loveさん» コメントありがとうございますm(_ _)m更新遅めのため、のんびりお付き合いいただければうれしいです! (2019年4月28日 10時) (レス) id: ba720923d0 (このIDを非表示/違反報告)
ふまほく - こんなに更新が待ち遠しいお話は、初めてです! これからも頑張ってください! (2019年2月3日 17時) (レス) id: 6cf9c86b0f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:わかめん x他1人 | 作成日時:2017年12月12日 23時

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