五時間目 ページ7
体がズキズキと痛む。
「…うっ……」
…学ランの下に紫パーカー着てきてよかった。少しだけだけど、衝撃をやわらげてくれたっぽい。
ゆっくりと体を起こし、周りを見回す。
「……は…?」
俺は教室にいた。
教室、とはいっても、ここはアカツカ高校の2年9組の教室じゃない。
木造だし、床に穴空いてるし、机や椅子が異様に小さい。
…まるで、小学校みたいに。
俺は、何でこんな所に?
確か、Aちゃんの提案で、まじないやって、そしたら、地震が来て、床が割れて…。
考えながら、床に手をついた。
「…?」
右手に変な感覚。
恐る恐る見ると、十四松が床に仰向けに倒れていた。
「十四松…!?」
気絶しているらしい十四松の顔を覗きこみ、頬をべちべちと叩く。
「おい、十四松!おい…!」
「…ん〜?むにゃあ〜?」
良かった、生きてた。
「一松兄さん、おはよ〜?」
「おはよう、とか言ってる場合じゃない…」
ボソッとそう言うと、十四松は体を起こして、周りを見た。
「…ここ、どこ?」
「わかんない。…俺達、教室にいて、床が割れて…」
たどたどしく説明すると、十四松はいきなり立ち上がって辺りを散策し始めた。
「ちょ…ヘタに動かない方が…」
「んぐぐぐーー!!…ダメ!窓開かない!!」
ため息をついて、十四松の近くに寄る。
外は真っ暗だった。曇りとか夜とかっていうよりは、ペンキで真っ黒に塗りつぶされたような感じ。
「なんかないかなー?」
窓は諦めたのか、今度は他の場所へ走る五男。
…床めっちゃミシミシ言ってるけど。
と、十四松の足が壁の張り紙の前で止まる。
「……どうしたの?」
心配になり隣に行く。
十四松は、真っ青な顔で張り紙を指差した。
「兄さん…これ……」
その声は、今にも泣きそうな声で。
恐怖を押し殺して張り紙を見る。
そこには、こう書いてあった。
『天神小学校通信』
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作者名:RAN丸 | 作成日時:2017年3月21日 13時