十九時間目 ページ23
ガタンッと、物音がした。
「…なあ、今」
俺が口を開くと、レイカが手前の教室を指差す。
「あそこから音がしたよね?」
「う、うん…」
チョロ松が頷くと、彼女は言う。
「行ってみようよ、誰かいるかもしれない!」
「…俺らをここにつれてきた犯人とかだったらどうすんの?」
「逃げる。もしくは、戦う」
シンプルにそういってレイカは笑う。
「信じてるから。二人のこと」
…それは俺らを人質に逃げるという意味か?
チョロ松はなんか頼られてすげえ嬉しそうだけど(超チョロい)。
そんな風に思ったとき。
「きゃははははははははははははははははははははははははははははははははっ!!!!」
と、奇妙な笑い声が響き、
「えっ…!?」
レイカがふわりと宙に浮かんで、
「にゃっ………にゃーちゃんっっっ!!!!」
初めてチョロ松が、彼女を下の名前で呼んだのと同時に、
グイッ、と
彼女の身体が、何者かに引っ張られたように、飛んでいき、
「きゃああああああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!」
という、悲鳴とともに、彼女は物音のした教室…『保健室』に消えていき、
「いやっ!!いっ、いやああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
と、いう断末魔は。
ブチャッ
という、
”何か”の潰れた音とともに、
急に
途切れた。
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作者名:RAN丸 | 作成日時:2017年3月21日 13時