【おそ松さんホラー】コープスパイン【パロディ】 (ページ19)

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十六時間目ページ19

少し離れた廊下で、彼は蹲っていた。

「う、…嘘、だ…そんな…、……やだ…や、だ…っ！！」
「松野！」

近付いて叫ぶと、松野は振り返る。

＿＿一瞬、彼の瞳が虚ろだった気がした。

が、それを彼に告げる前に、松野は口を開いた。

「話しかけるなボケ！！」
「…え？」

伸ばしかけた腕が止まる。

「いつも何なの！役立たず！！カラ松兄さんも見つけられないくせにかっこつけてさあ！！」

傷ついた、と言うより、呆気にとられた。
彼の口から出る暴言は、何故かひとつも僕の頭に入ってこない。

「一軍一軍ってもてはやされて！本当は僕の事いつも軽蔑してたんでしょ！？なにもなし男より自分は上だってのぼせ上ってたんでしょ！！」

止まったままの腕が、だらりと垂れる。

「もういい！あつしくんなんかいなくても、一人で兄さん見つけるから！！」

言って、松野は僕にカラ松君の制服を投げつけてきた。
制服が下に落ちるのと同じくらいのタイミングで、松野は廊下の向こうへ走り去ってしまった。

彼が走り去って行った後、僕は追いかけることもせず小さく息を吐いた。
そして、学ランを拾い上げる。
頭の中で、さっき言われた言葉が蘇ってきた。

それと同時に、怒りが湧いてくる。

一人じゃ怖いだろうからついて言ってあげたのに、あの言い方はなんなの？
松野は僕のことを、そんな嫌な奴だと思ってたの？

＿＿＿僕らは、友達じゃなかったの？

クスクスと、小さな子供の笑い声が聞こえる。
身体を、暗い何かが支配してきている。

僕は制服のポケットに手を伸ばし、松野の走り去って行った方へ歩んで行った。