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十時間目 ページ12

保健室の扉を開ける。

「っ…!!」

真っ先に目に飛び込んできた光景は、正面の壁に思い切り叩きつけられたように上半身が潰れた遺体だった。

壁一面は真っ赤になっていて、そこに寄りかかるようにスカートと白い足が存在していた。

「何で、こんな…」

近付いて、よく見てみる。


「……あれ…、このスカート…」

気付いた瞬間、壊れそうなほど心臓が激しく動き、冷や汗が吹き出る。



遺体の履いているスカートは、アカツカ高校の物だった。


「はあっ…」

息が苦しい。
眩暈がする。
頭が痛い。


顔が潰れていて、誰なのか判断できない。
…それが、俺の不安を助長させた。



違う。
きっと俺の勘違いだ。

だって、あり得ないだろ。

目の前の『コレ』が、あの三人のうちの、誰か一人だなんて。

そう思った時。


__キャハハハ

「っ!!」

笑い声だ。
たぶん、小学生くらいの子供の。


気付いた瞬間、首になにかが巻き付いてきた。

「ぐ、うっ…!?」

そのまま、首に巻き付いた紐のような物が、俺の体を持ち上げた。

「ぐ、…がぁ…っ!?」

脚から地面の感覚が消える。

苦しい。
息が出来ない。

必死にもがいても、紐は一向にほどけない。




酸素がなくなって、だんだん意識が薄れてきた。

…ああ、俺死ぬんだ。




そう思った、その時。

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作者名:RAN丸 | 作成日時:2017年3月21日 13時

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