SnowManに迫られてマス！ (ページ22)

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「でね、あの日さそのルールって誰が言ったんだっけ？」

阿「んー…誰だっけかなぁ」

稽古が終わり、阿部ちゃんと2人で居酒屋に入る。
断片的に記憶に残るその思い出が気持ち悪くて、
阿部ちゃんに尋ねたのだ。

阿「ごめんね、俺も思い出せないや」

「そっか、そうだよね」

もう8年も前の事。忘れていても仕方ない。

「…なんかさ、それを聞いた時にね…すごく苦しくなっちゃってさ」

阿「…うん、」

「その苦しくなった理由も分からないんだ。でも暗闇で1人蹲み込んで泣いてる私が一瞬だけ頭によぎったの」

どうしてもその映像が現実に起こった事のような気がして引っかかる。

「その暗闇の中でね、隣でずっと私を抱きしめてくれる人がいたんだ」

阿「…そ、なんだ」

「すごく優しい手だったけど、顔だけぼやけちゃってて」

モザイクがかかったように見えなかったその人物は、いったい誰だったのだろうか。

阿「…思い出したい？その人の事」

「んー、気にはなる、かな」

私の答えにほんの少し笑った阿部ちゃんは、
目の前にあったビールに口をつけた。
その仕草がなんとも儚く見えたのは、どうしてだろう。

阿「あのルールってさ、俺らの一つのストッパーだったんだよ」

「どういう意味？」

ゴクリと喉が鳴ったのは、私か、それとも阿部ちゃんだったのか。