独りの少年と五年生。

新たな出会い　(２) ページ44

二人は崖の縁を覗き込んで何かを探しているようだった。


ずっと観察していても時間が無駄なので、こちらから声を掛けようと悩んでいた時。




勘右「ねぇ、君何してるの？」



後ろに気配を感じたかと思ったら、突然声を掛けられた。

思わず振り返って見てみると、濃い茶色のうどんの様な、うなぎの様な……何とも言えない髪型の男が居た。
所々に包帯を巻いており、小屋に居るハチの姿が彷彿とされる。


警戒してすかさず距離を取り、開けた場所へ出る。



A「…そう言えば」


崖に人居たこと忘れてた。



兵助「えっ、誰？」


勘右「さぁ？俺も知らない。声掛けただけ」


三郎「猟銃って、随分と物騒じゃないか」


雷蔵「迷子にしては大きいし…」


しかもお互いに知り合いらしい。




五人の間に、気まずい沈黙が流れた。


勘右「あー…ごめん、驚かせちゃったかな。
　 こんな山奥に人が居るとは思わなくて、つい声を掛けたんだ」

うどん髪がそう話してきた。

それを引き継いで、モフモフの茶髪が喋り出す。


三郎「実は俺たち、人を探していてね。
　 同じ様な服を着た、ボサボサの灰色の髪の男なんだけど…心当たりは無い？」


凄くある。何なら家にいる。



雷蔵「僕たちの、大切な仲間なんだ」


兵助「もし知っている事があれば、何でも良いから聞かせてくれないか」

続いて同じモフモフの茶髪…双子か？が喋り、黒髪の美人がそう聞いてきた。




A「………知ってる」


返答に少し間が空いたのは、誰にも渡したくなかったからか。

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