独りの少年と五年生。

新たな出会い　(１) ページ43

身支度をして、今日も山の中へと出かける。

昨日貰った情報によれば、主に合戦があった周辺を中心として、ハチを探しているらしい。

少なくともそこへ行けば、誰かには出会えるだろう。


獣道を歩き、一応懐の苦無に手をかけた。
複数人に襲われた時に、素早く対応する為だ。


先週の鬼ごっこで、嫌と言うほど思い知らされたからな…。




考え事をしていると、いつの間にか元合戦場についていた。

だが今日に限って、辺りを見回しても誰も居ない。




仕方がないので周囲に気を配りながら崖へ向かった。






森を抜けるかという、その頃に。



木々の向こうに青紫色が見えた。





A「……あれは」

小さく呟き、そばにあった若木の影に潜む。

よく目を凝らして、立っている者をもう一度見る。




間違いない、ハチの上衣と同じ色だ。

要はあそこに居る二人がハチの言っていた仲間という事か。


雷蔵「何か見える？」

兵助「いいや、ダメだ。かなりの高さがあって下までは見えないよ」

雷蔵「そっかぁ…せっかく外出許可が出たのにね」

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