天女サマ？いいえ、腐男子です。

(４)：仙蔵視点 ページ9

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忍術学園には溝が出来てしまった。

上級生と下級生を隔てる、大きな溝が。


あれから下級生には話しかけていない。
向こうもこちらを見ると、顔を青ざめさせて何処かへ行ってしまうからだ。

後輩にも会っていない。
今は委員会の時間をずらして活動している。




いや、一度だけ。

一度だけ会ったことがある。



天女騒動が収まって、すぐの委員会活動だった。


活動に参加しなくなった私と。
何もしなかった喜八郎と。

二人で謝りに行ったのだ。



久しぶりに顔を見た後輩達はどこかやつれていた。
部屋に入って来た私達を、藤内が睨んでこう言い放った。



藤内「もう良いです」

仙蔵「…藤内、」



藤内「あなた方はまんまと天女の術にかかって僕たちを見捨てた。
　 一年生の手を何度も振り払った。
　 僕たちの制止を聞かなかった！

　 天女にうつつを抜かし、ただ予算を食い潰していた立花先輩も。
　 それを黙認していた綾部先輩にも。

　 失望しました。

　 今日から作法委員会の仕事は、これまで通り僕ら三年と一年が回します。
　 本当に申し訳ないと思っているなら…早く作法委員会委員長の肩書きを僕に渡したらどうですか？」



いっそ毒を含んだかの様な眼差しで私達を見遣る。



藤内の言った事を否定できなかった。

だから、何も言えないまま部屋を出て来たのだ。




胸に鉛が詰まった様な感覚で今日も過ごしている。

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