天女サマ？いいえ、腐男子です。

(２)：仙蔵視点 ページ7

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【三人目】


三人目の事は正直思い出したくもない。


アイツのせいで、この学園は崩壊してしまった。



いつもの様に空高くから落ちてくる天女。
落下地点を見定めて五、六年生総出で見に行った。

何かあった時や、また学園に害をなすであろう場合…すぐに殺してしまえるように。


落ちて来た天女の周りを静かに取り囲む。

まだ目は覚めていない様だった。


張り詰めた空気の中でゆっくりと天女が起き上がる。
辺りを不思議そうに見渡し、立ち上がって歩き出そうとした。


学園の方に行かせてはならない。


そう考えていた私達は尾浜勘右衛門を天女の元へ行かせる。
私の次に作り笑いが上手いアイツなら、何か情報を引き出せるだろう。


尾浜がわざと足音を消さずに近寄る。
ビクッと肩を揺らして少女がこちらを振り返った。

束の間汚く歪められた口元は、私の見間違いだろうか。


尾浜が「ねぇ」と声を掛けた瞬間。


少女から、あの腐った様な甘い匂いが撒き散らされた。
一人目とは比にならないくらいの強烈さ。


全員が口布をして戦闘体制に入る。
しかし武器を手に取る暇もなく……段々と体の力が抜けていった。




朦朧とする意識の中で最後に見たのは、倒れ込む皆と。


その中央で勝ち誇ったように笑う女の姿だった。

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