天女サマ？いいえ、腐男子です。

(２) ページ22

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(なんかいっそ逃亡系にしようかなって思ってるこの頃です。)








A「げほっ、は、あ…」


下半身の冷たさで目が覚めた。

いつの間にか流木に引っかかっていた様で、水に浸かった状態の体を起こす。


岸辺へ這い上がってから、妙に冴えた頭でこれからの事を考える。




異世界転生してさ

忍術学園から逃げ出して

川に落ちて


死に損なって、今生きてるわけだ



何故かズボンのポケットに入ってたカロリーメイトを一口齧って、なけなしの栄養を摂取する。
美味しいとは言えないその味を噛み締めて、立ち上がった。




何処に行こう。


行く宛なんてもちろん無いし、頼れる人も居ない。
唯一、僕が現代日本で生きた証である服を見下ろして溜息をついた。

くよくよしても過去は戻って来ないので、とりあえず行動を開始したい。



選択肢は三つ。


⒈このまま山の中で過ごす

⒉町に降り、一般人に溶け込んで暮らす

⒊自ら命を絶って、訳の分からないこの人生を終わらせる



うーん、３は却下かなぁ。
可能性のあるものとすれば１か２だけど…正直僕はサバイバルの経験は無い。


施設に居た頃、偶然読んだ『森暮らしのススメ 入門編』とやらの上下巻セットの知識ぐらいだ。

狩りの方法や小屋の建て方、縄の結び方とか書いてあって、結構面白かった。




まぁそれは置いといて。

人に会わないという点では１の方が有力だ。
この世界でずっと生きていくならば２の方が楽な生き方だろう。

しかしあの忍術学園の誰かが街に降りてくるかも分からないから危険ではある。




服が乾くまで考えたが、結局どちらにするか決められなかったので


A「木の枝を倒して、右にいったら森暮らし。左にいったら町暮らしにするか」


という何とも子供らしいやり方で決めた。



結果は左。という事で、僕の命運は町暮らしとなったのだ。

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