日常の崩壊 (1) ページ3
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A「……はっ!?」
意識が覚醒し、瞼を開ければ眩しいほどの青空。
さっきまでビル群が取り囲んでいた風景は一変していた。
ん、青空?
慌てて飛び起きて辺りを見回す。
A「森?僕、交差点に居たはずじゃ」
そうだよ
それで、トラックが
A「あぁ、…死んだのか。あの距離じゃ、無理だよな」
現世は苦労してばっかりだったけど、それでも自ら命を捨てたいと思った事は無かった。
少しばかり出てくる涙を拭いて立ち上がる。
周りを見渡した。
うん。
完全に森だ。
ジ◯リに出てきそうなくらい。
A「叫んだら動物に会いそうだし…とにかく歩いてみるか」
そう思って一歩踏み出した瞬間。
A「うわっ!?」
グサッと音を立てて、足元に何かが飛来した。
「動くな」
地を這うような声と共に、首元に何かが突きつけられる。
俺何かしたっけ?あ、動いちゃ駄目なのか。
「少しでも怪しい挙動をすれば、即座に息の根を止める」
A「えっ…ハイ。分かりました」
確か、生殺与奪の権を他人に……忘れた。
そんなのがあった気がする。
でも従順になる方が絶対得策だよ、今は。
だって首元ヒンヤリしてるんだもん。
『凶器と狂気はダメ、絶対。』とか言って爆笑してた友達の姿が脳裏にフラッシュバックした。
思い出す記憶が一々しょうもねえな、と思いつつも目線だけ動かして後ろを見る。
風が吹いて、サラサラ揺れる黒髪が視界に入った。
ホントそれだけ。
結局誰か分かんねぇじゃん、と心の中で不満を漏らす。
「私が誰かはさておき、お前には学園長まで一緒に来てもらう」
もしかして心の中読まれた?
「お前が天女である以上、学園に危害を加えないとは考えにくい。
私たちはもう…妖術には掛からないからな」
A「よう…じゅつ?それって何」
「御託は良い。さっさと歩け」
拘束が心なしか強まったので、それ以上は喋らなかった。
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あけぼの(プロフ) - 翡翠さん» ありがとうございます。温かいコメントに勇気をもらえます! (2023年4月2日 21時) (レス) id: 01012e3403 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠 - とても好きです!!また更新することがあれば頑張ってください!続き楽しみにしております!! (2023年4月1日 18時) (レス) @page24 id: 35aa15076d (このIDを非表示/違反報告)
たうふ(プロフ) - いすとさん» ありがとうございますううううううう! (2023年1月24日 16時) (レス) id: d1593a86c4 (このIDを非表示/違反報告)
いすと - すきですうううううううううううううううう (2023年1月22日 21時) (レス) @page22 id: 58b28daa41 (このIDを非表示/違反報告)
たうふ(プロフ) - 碧さん» ありがとうございます!更新頑張りますね! (2023年1月3日 10時) (レス) id: d1593a86c4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たうふ | 作成日時:2022年11月12日 23時