テストの涙 ページ13
青葉side
自分のクラスに入る前に
Aと莉愛と二人で廊下で話していた。
A「見たんだ…竹島さんの答案用紙。
1点差だった。」
青葉「1点差?!」
A「うん…。」
青葉「……。」
泣いている友達を見てうちは何にもできなかった。
教室に入っても
Aの机の近くに寄るだけで
何を言っても、泣いている今は
同情にしかとらえられないと思ったから。
私だったらきっと何を言われても毒づくと思ったから。
泣いている友達を目の前にして、
何も出来ないなんて
友達失格だ。
Aは、
真っ赤な顔して
泣きながら
笑顔を作って
「ごめん。」
そう言いながら
周りにバレないように
泣いて
顔を伏せた。
その夜初めて聞いた。
最近あの大人に会えてなくて
連絡も取れなくて
不安になっていたことを。
あの大人が原因で
すぐに泣きそうになることがあって
今日、テストのことがショックすぎて、
理由は違っても悲しい気持ちでいっぱいになった。
初めて見たAの泣いている姿。
私がこの世で最も見たくなかったもの。
なんで見てるんだ。
なんであいつを信用した。
なんであいつに期待した。
自分が馬鹿だとすぐに思った。
あの時『絶対ダメだ。』
友情が壊れたとしても
言うべきだった。
取り返しのつかないことが起きた時、
それを『後悔した』という。
後悔した…。
その時は、
あいつへの怒りじゃなくて
嫌悪
情けなさ
不甲斐なさ
自分への負の感情しか出てこなかった。
「A…ごめん…あの時…止めておけば…こんなことには…ならなかったかもしれないのに…。」
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作者名:英英王 | 作成日時:2018年6月14日 16時