rt,tp4_負傷_#02 ページ43
スルスルと避難していく。
気づいたときには
ウチのナイトとルークにボッコボコにされているし、今回も…
なんて考えていた。
「「え？」」
少年が彼女の懐で守られていた。
眼の前の大男がもつナイフで切りつけられた彼女は
右腕にザックリと線が引かれている。
パスンッと銃声が響き頭から倒れていった。
「
ゲームは終了した。
今倒れたアイツがこのゲームの相手側のキングだ。
「少年。」
「は…はい！」
「うん、いい返事。…ごめん。許せなくても…許して。」
少年の手のカトラリーのナイフをはたき落とし
音を立てて落ちる。
「キヨくん。」
こんな血濡れた部屋に似つかわしくない
彼女の優しい声が響いた。
「分かってる。」
キヨくんが染まった景色を見せないよう少年を抱えて走った。
「おい、マコ。
ここでﾀﾋぬのは、お前も馬鹿の仲間入りだぞ。」
うっしーが文句を言いながら
彼女の腕の傷口を圧迫して止血してくれている。
「レトさん、△△だ。スコープで光ってる。」
ガッチさんの言うとおりなら
特殊なスコープで見ると少し光る毒があるのだ。
大方ナイフに塗られていたのであろう。
「そうだね。△△で間違いない特有の痺れ症状が出てる。」
「うっしー！その馬鹿早く連れて帰って！」
〇〇だけでも軽くﾀﾋねるのに
△△まで食らって飄々と喋ってられる方がおかしいけど
早々に処置したほうが良いのは明白だ。
「分かってる。」
小さく見えて力は人並み以上にある彼が
彼女を抱えて走り出した。
「プレイヤー…
私、ポーンよ？」
手負いの私に価値はないのだから捨ててくれ。そう言った。
「俺のゲームにはポーンもいるの。
馬鹿なこと言ってないでさっさと帰ってこい。マコ。」
「……仕方ないなぁ。」
「口閉じとけ、舌噛み切るぞ。」
彼女の声が聞こえなくなった。
影も写してくれないほどの夜空に2つの物体が跳ねた。
「レトルト。」
「奥の部屋連れて行って。処置するから。」
俺は医療班でもある。
とりあえず傷口のものは中和させて
局部的に麻酔をして深くいかれたものを丁寧に縫合して
また無駄な筋肉なんて何一つ無い綺麗な腕になった。
「あ、ちょっといってくるわ。」
「あ〜そうよな。」
たしかに今回飲み込んだ〇〇は強すぎるので
吐いたほうがいい。
ベットから降りてスタスタと歩く彼女。
普通ならこれも考えられないけど。
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作者名：みこと | 作者ホームページ：http://なし)ー
作成日時：2023年10月14日 22時
