How to cure【実/況/者】 (ページ34)

今日:8 hit、昨日:1 hit、合計:2,466 hit

fj,ky(+gt)_頭痛_#02 ページ34

キヨがベットにマコを転がした。

それを見ながらガッチさんに

彼女、片頭痛でダウン中です。

とメッセージで連絡すると

「もしもし。」

まさかの電話がかかってきた。

「あ、もしもし。マコは？大丈夫そう？」

めちゃくちゃ心配してるなぁ…

「2回吐いて体力ドン底よ。」

マコが電話をしていることに気づいた。

「…ガッチさんだ…。」

「よく気づいたな…笑スピーカーにしてもないのに」

キヨの言うとおり
スピーカーにしてもないのにガッチさんの声に気付いた。

なんて愛のお力。

スピーカーのボタンを押した。

「A。」

「…ーーさん。」

「ごめんねぇ、近くにいてやれたら良いんだけど…」

「うん、大丈夫。お仕事だからね。
大丈夫だけど…"ちょっとだけ"……早く帰ってきてください。」

あら〜お上手すぎて怖いですね。

「うん、"ちょっとだけ"待っててね。
…フジ、キヨ、ごめんけど、任せるからね。

Aの事だからもう薬は飲んでるだろうけど
薬飲んで、冷蔵庫の保冷剤使って冷やしながら、
暗い部屋で寝かせてやって。あと一応ゴミ箱は近くにね。

お願いします。」

「うん。分かった。」

電話が切れてからしばらくしても寝れる様子もなかった。
うつ伏せで枕に埋もれ痛みに耐えているのだ。

「寝れないな…」

キヨがボソッと呟いた。薬を飲んだのは丁度1時間ほど前。
もう効いていてもおかしくない頃なのになぁ。

「…い"っ…たい…」

「痛いね…痛いよね。」

本当に痛そうで可哀想になってくる。

「痛いよね。分かるよ。
でもマコのキレイな手に跡がついちゃうよ。」

グッと握り込んだ小さな右手の握りこぶし。
開けるとキレイに4つの爪の跡がついていた。
左手は枕を掴んでいた。こちらも指先が痛そうだ。

「左はタオルにしよっか、ちょっとは違うと思うからね。
こっちは手がいいの？俺の手でいいならぎゅってしな。」

左手にはタオルを握ってもらった。
右手には俺の左手を思ったよりも強く握られた。

「ごめ…んっ…」

「ううん。全然大丈夫。」

これが彼女の痛みのごく一部なんだと思うと
心がキュッとしめられた。

「これ大丈夫？」

キヨがゆっくりとしたリズムで背中をトントン叩く。

「うんっ…安心…する…あ…りがと…っ…」

「偉いな。お礼言えて。」

左手を握る力が段々と弱くなっていく。
なんだか俺も安心しちゃった…