us,twc_喘息_#01 ページ31
「マコすっげえ咳してるけど、
大丈夫か？」
「ん、ごめんごめん…笑。大丈夫。」
何に対して謝ったのかよく分からないけれど
その後に飲み物を飲みながら彼女は笑った。
席を立ち話しかけに行ったのは
「外、出てくる。」
「…ちょっと待て、ついてく。フルコンさん、ちょっと。」
towacoだった。
「ん？」
「彼女、喘息発作出てるみたいなので
別室で落ち着かせてきます。」
towacoはマコの幼馴染なので
大体は把握しているようだ。
「分かった。スタッフさんには伝えとく。」
楽屋は密度が凄い。とにかく移動したかったのだろう。
ガヤガヤとした楽屋で彼女の近くで耳を澄ませてみれば
ヒューヒューと音が聞こえる。
「いくぞ、薬は？」
「ポッケ。」
いつの間にか薬は確保していたようだ。
「別室だよな？先、見て来よっか？」
使う人は滅多にいないけど
実は多忙な人たちが多いので少しでも休めるようにと
一応横になれる別室がある。
「頼みます。牛沢さん。」
「了解。マコ、ゆっくり来いよ。」
少し後ろを歩く2人を置いて別室を見たが
案の定別室は誰も使っていなかった。
彼女は目の前に鏡のあるメイク台へ。
唯一の机っぽいものだ。椅子に座り
ちょっと無理やりにも見えたが息を整え、薬を吸った。
「横には？」
「無理。ちょっとこのまま…」
「だよな。」
ちょっと中々に酷いやつかもしれない。
目をつぶり、机に突っ伏して
こちらが言わずとも深く呼吸する彼女を見るしかない。
何がキッカケだったのかなんて分からないけど咳が連続した。
少しでも落ち着けばと背中を擦った。
「だ…ダメ…っぽい…」
「さっきので何回目？」
「2…っ」
ポケットに薬が入っていたのは
人知れずどこかで吸ったからだったのか。
「もう一回だけ使ってみるか。
マコ、これで収まらなかったら病院な。」
喘息の薬に関してはあまり知識がないので
towacoに任せることにする。
「んっ…分か…った」
この間も咳が連続しているが
机に置かれた吸入器を彼女に握らせた。
マコは吸う気がない訳では無い。
背中を擦ってこのまま落ち着くのを待つのも
可哀想だよなぁ…と
思っていた所に彼女の幼馴染が彼女の肩を叩いた。
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作者名：みこと | 作者ホームページ：http://なし)ー
作成日時：2023年10月14日 22時
