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またしても沈黙に耐えきれなくなったさくらは先に出ていってしまった唯月を追いかけるように様子を見てくると言って教室をあとにした。
二人きりになった教室は音もなく二人の吐息が聞こえるほど静かだ。
壁の時計を見ると時刻は23時を刺したところだった。
先生のおでこに乗っている濡れたハンカチを取り替えようと手を伸ばすとその腕を掴まれる。掴んだのはもちろん先生しかおらず目はAを捉え瞬きひとつしない。
「先生、具合は…？」
目をそらすことも、掴まれた手を動かすことも出来ず出てきた言葉は体調を心配することだけでそれを聞いた先生は魔法が溶けたかのように瞬きをゆっくりとした。
「かなり気絶していたみたいだな…。」
「そうですね。ハンカチ、変えましょうか？」
「いや、もう大丈夫だ。」
体を起こすと大きく深呼吸をする。まだ体調が優れないのは顔色を見て分かる。薬は必要かときくと今はまだいらないとだけ返事をされた。そのまま居なくなってしまいそうなくらい先生は弱っていた為、Aの目には溜まりに溜まった涙がポロポロとこぼれ始める。
それを見た先生は柔らかく笑いAを体ごと抱き寄せた。
「そんなに泣くなよ。」
「先生、死んじゃったかと、思っ…て、目が…あったとっき…嬉しく、て。」
しゃくりながらも涙の原因を伝えたが涙は止まらない。先生は『勝手に殺すなよ。』と半分笑いながら抱きしめたAの背中を上下にさすったりポンポンと叩く。何分間そうしていたかは分からないが次第に涙も止まり心地いいリズムに眠気が襲ってきそうになる。
「Aにはぐっすり寝て欲しいところだが、みんなの所に行かなきゃな。」
「…はい。」
学校に閉じこめられてから熟睡することが出来ずこんな時に眠気が来るなんてと自分の頬を両手でパチンと叩き、気を取り直す。それを見た先生は『ははっ』と口角を上げて笑いAの頭を撫でた。
「Aが寝れるならいつでもおいで。」
「え？」
「いや、なんでもない。」
先程とは違いニヤリといたずらっ子のような顔をした先生にすぐ反応することはできなかったものの、また背中をさすってくれるということだろうか。この状況から考えて冗談ではなさそうだが背中をさする先生の手や今の顔を思い出し少し顔を赤らめた。
「なんだ？A、お前熱か？」
「ち、違います。」
顔を手でパタパタと仰ぐAを不思議そうに見つめ美術室にいくかとAの手を握り立たせた。
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理音(プロフ) - 続き気になります！更新楽しみにしています！ (2022年8月6日 12時) (
レス) id: d1bb6ccd48 (このIDを非表示/違反報告)
怜(プロフ) - 更新停止されているのですか？とても面白い作品なので更新待っています！！頑張って下さいね！ (2022年4月3日 18時) (レス) id: 77ac967041 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆたま(プロフ) - 澪桜さん» コメントありがとうございます！また書いていこうと思います！ (2021年4月10日 4時) (レス) id: f8b7b28441 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆたま(プロフ) - natsumiairaさん» ありがとうございます！頑張ります(TT) (2021年4月10日 4時) (レス) id: f8b7b28441 (このIDを非表示/違反報告)
澪桜(プロフ) - かなり更新していないと見受けましたが続きが気になります！！更新、楽しみに待ってます((o(｡>ω<｡)o)) (2021年3月12日 12時) (レス) id: 8aa45553d4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆゆたま | 作成日時：2021年1月14日 2時
