大国主神 ページ16
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この案内してくれている女性は八代路子と言うようでかつての大隈のパートナーだそうだ。
彼女は少し言いにくそうに「いろいろ事情がございまして。」と苦々しい顔をしている。
「でもちょうどよかったです。興玉さんにきていただいて。」
「何かあったんですか…?」
彼女は何も答えず目の前の扉を開け中に入るように促す。
部屋の中はシックな家具で統一されており全決やAの自室に似ている。
部屋の奥にはベッドが一つといろんな機械に繋がれた大隈がそこに寝ていた。
医師からはもう長くないと伝えられているようでもうほぼ寝たきりの生活らしい。
三人が大隈に近づくとゆっくりと目を開けてこちらをみて笑う。その顔には覇気がなく弱々しい。
「…興玉か、元気そうだなあ…。」
「なんで教えてくれなかったんです?」
「いや、忙しいだろうと思ってな。」
声を出し笑うことすら辛そうにしている大隈を直視できずAは下をむく。
大隈は路子に部屋を出るように目配せすると彼女は一礼し部屋を出て行った。よほど聞かれてはまずい内容なのかとAは姿勢を正す。
それを感じ取ったのか大隈は「Aちゃん、気を張らないでいいさ。」とまた笑う。
すみませんとお辞儀をしたがなぜAは自分の名前を名乗ってもないのに知っているのかと疑問に思った。もしかしてこれも記憶をなくしているせいなのかと考えたが答えは出てこない。
「もしかしてこの人、」
「
「でも自分の病気は治せないんですね…。」
「ええ。」
Aはこの間の過去の話を思い出した。
雨野が蛭児に事戸渡しをされた時に
もうその時には今のように弱ってしまって動けなかったのだ。
となると先ほどAちゃんと呼んだ
「興玉…二人は…」
「ええ、それは後で。」
Aと雨野の顔を見た大隈は何となく察したのだろう。きっと二人の命が助かった事は連絡していたのかどこかホッとしているような顔をして二人を見つめている。
雨野は気づいてはいないがAは一応会釈だけはしておいた。

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ゆゆたま(プロフ) - severusさん» ありがとうございます🎵後少しで完結予定ですがそれまでよろしくお願いします☺️ (1月11日 13時) (レス) id: 020d65c2f7 (このIDを非表示/違反報告)
severus(プロフ) - 全決小説を読み漁りゆゆたま様の所へとたどり着きました。各々全決の小説を書いていらっしゃいますが更新停止が多く残念です…が、ゆゆたま様は今も尚更新されており一気読みさせて頂きました。控えめに言って最高です!更新大変かと思いますが今後も頑張ってください (1月7日 13時) (レス) id: d1bcc6181f (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆたま(プロフ) - ゆまさん» ありがとうございます!興玉ロスわかります😭!頑張って更新しますのでお楽しみに🙌 (12月27日 14時) (レス) id: b18337061e (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆたま(プロフ) - ツユキさん» ありがとうございます😊がんばります! (12月27日 14時) (レス) id: b18337061e (このIDを非表示/違反報告)
ゆま - とってもおもしろいです!最終回終わってからずっとFOD見てますが、それでも興玉ロスなので。。。こちらの更新が楽しみでしかたないです 笑 寒いので体調お気をつけて頑張ってください(^^) (12月25日 23時) (レス) @page8 id: e5435e7bdd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆゆたま | 作成日時:2024年12月22日 20時