すとぷりの７人目はミステリアスイケメン 【２】

５５話目 ページ8

ASide

僕は生放送を終えてすぐ、寝室のベッドに倒れ込んだ。

仰向けになりボーッとする。目の上に右腕を置き何も考えない。


辛いよ…

何が辛いかって言われたら、何が辛いかわかんないけど、もう全部が辛いんだよ。

思い出しちゃったしさ…

自分で話すって決めたくせに、何言ってんだろ…


あんな両親に腹が立つ。改めてそう思う。

けど、何より自分に一番腹が立っている。


頭の中に昔の記憶が一気に浮かび上がってくる。

尊敬してた父親に裏切られた悔しさ、狂った母親の声、全てが怖い。

なんで僕は誰かに助けを求めなかったんだろ？

なんで誰かに両親を訴えなかったんだろ？

全てに後悔している。

どこから間違ってたの？僕は何を間違えたの？

考えれば考えるほどわからなくなる。


　 家族の愛って…何？



僕のこと、スターちゃんに話して良かったのかな？

誰かは、嫌な思いをするんだよね。

そもそも、僕はこの世界に戻ってきて良かったのかな？

僕が戻ってくることを、誰かが望んだのかな？

もしかしたら、僕って、必要ないのかな？


どんどん考え方がネガティブになっていく。

僕はもう、僕の全てが嫌いだ！



僕の目から水が溢れ出てきた。……涙だ。

え？僕、泣いてるの？

涙が出るのなんて、何十年ぶり？

止めようと思っても、とめどなく出てくる涙。



A「うっ……もう、どうしたらいいか、わかんないよ。」

久しぶりに、弱音を吐いたような気がした。

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