No.35 ページ39
･A
島の人たちは僕らに向かってニコニコ手を振る。
僕らっていうか、7人に向かってだろうけど。
『あれ、お嬢ちゃん、見かけない顔だね！』
明るく話しかけてきたのは肉屋の夫婦。
鶏肉を片手に僕の顔をじっと見つめてきた。
僕、これでも十八の男なのに、女の子に見えるのか。
たしかに小さいし、白いし弱そうなのは分かってるけど……ちょっと悔しい。
『そこのお兄ちゃんたち、みーんな力持ちで強いから守ってもらいなよ！最近ここらで野良の熊が出るって噂だ。』
熊……。
NM｢奥さん、この子は女の子じゃなくて、｣
JN｢あー、はいはい、行くよナムジュナ。｣
ナムジュンさんを引っ張るソクジンさん。
あとで僕にコソッと耳打ちをしてきた。
肉屋の夫婦は揃って話が長いらしい。
どんどん道を進んでいくと、広い道路のようなところが見えてきた。
人通りも多いけど……一番驚いたのが、車輪のついた乗り物だった。
かなり大きな物音をたてて進んでいく乗り物。
車、と言うらしい。
JN｢フォードT型の車両だよ。外国で製造されててこの島で使う人はかなり限られてる。そもそも車で移動するほどこの島は広くないからね。｣
NM｢免許をとる場所もこの島にはないから、買ってる人はマニアか変わり者だよ。｣
へぇ……馬車は見たことあるけど、自動で進んでいく乗り物は初めて見たな。
YG｢外国へ行く人もまた認可状がいるんだ。それの発行が結構めんどくさくて、｣
HS｢わっ！！ユンギヒョン、いつのまに！！｣
いつの間にか僕らに追いついていたユンギさん。
手元には二輪の……
JK｢その自転車も輸入したものだけどね。｣
YG｢この島の医者や薬屋は大概持ってる。患者が動けない場合に役立つぞ。｣
NM｢あぁ、だからジンヒョンも同じ型の物を持ってますよね。｣
ってことは、ソクジンさんは医者……？
じっと見つめていると、ソクジンさんは慌てたように手を振り回す。
JN｢あー…そんなに見な、……あ、乗りたい？乗りたくて見てるの？｣
｢えっ、｣
JN｢し、仕方ないなぁ…僕の家もうすぐだし自転車に乗ってみる？｣
TH｢いいじゃん、乗せてもらいなよ！｣
｢あ……｣
手を引っ張られて慌ててテヒョンさんの後についていく。
何度か転びそうになったけど、その度にジョングクさんが助けてくれた。
最終的には僕を肩に担いで、もうわけが分からない。
だけど、なんだか込み上げて来るものがあって……
いつの間にか笑ってた。
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名無し77872号(プロフ) - スミスキーさん» ありがとうございます！しっかり伏線回収したいと思います！ (2021年8月19日 21時) (
レス) id: 7a2b063138 (このIDを非表示/違反報告)
名無し77872号(プロフ) - お豆腐さん» ありがとうございます！続編も出ましたので是非チェックお願いしますー！！！ (2021年8月19日 21時) (レス) id: 7a2b063138 (このIDを非表示/違反報告)
スミスキー(プロフ) - この小説面白くて凄く大好きです！！更新頑張ってください！！ (2021年8月14日 12時) (レス) id: 78ab9a25ad (このIDを非表示/違反報告)
お豆腐(プロフ) - この小説すごく面白くて大好きです！！更新されるたびにニヤニヤしながら読んでしまってます笑 (2021年8月14日 8時) (レス) id: 236bbfcab0 (このIDを非表示/違反報告)
名無し77872号(プロフ) - ヌナさん» ありがとうございます！コメントめちゃくちゃ嬉しいです笑 これからもよろしくお願いします！ (2021年8月2日 19時) (レス) id: 7a2b063138 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みぞのなか x他1人 | 作成日時：2021年7月14日 0時
