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「自主練の時さ 途中
雅紀に電話があったんだわ
アイツわりとどんなところでも
お構い無しに電話とったりするじゃん
でも あの時はわざわざ席はずして……
その後からだよ
ソロの練習したいって言いだして
怖い顔して 無茶な追い込みかけて
ヘロヘロになって…
さっきの映像の表情
似てるんだあの時の雅紀と……」
翔さんの眼が鋭く何かをにらんでる
「その時も この電話も“Ｘ”氏からの
電話だったんじゃないかと
思うわけですね？」
何処かをにらんだまま 翔さんが頷く
にの表情も心なしか強張る
「来たばかりの頃の“Ｘ”氏は
誰にでも当たりが柔らかで
どちらかというと温和な印象だったよな」
俺の問いかけにみんなが頷く
「でも知ってました？
時々 とんでもなく冷たい眼をして
レッスンを眺めてることもあったって…」
やっぱり にのは周りをよく見ている
気がつかなかったな……
この場で話すつもりは無かったけど…
「あのさ… まーの看病してたとき
そのぉ… 見ちゃったんだよね
っていうか その… 見えちまったんだよ
メールの受信画面……
メール見たなんて
まーのプライバシーもあるし
俺のポリシーにも反するから
言うつもりなかったんだけど……」
「“Ｘ”氏からの…ですか？」
そう と にのに頷きながら続ける
「見たのは一部分なんだけど
仕上げはまだか？ノロノロしてんな──
みたいなメールか来てて
おそらくだけど前々から
何回も届いてるんじゃないかって
気がするんだよね」
「“Ｘ”のヤツ 許せねぇ──」
翔さんの声が震えて拳を握りしめる
今にも怒りを爆発させそうだ
「ところで ○○君って知ってますよね
ほら 歌って踊る 天然系モデル○○君」
にの？
何で急にそんなヤツの話を？
「ま その天然お人好しキャラは営業用
実際はかなり巧妙な手口で
ライバル達を叩いて
のしあがっていったって
表にこそ出てない話ですけど
業界では知る人ぞ知る話だそうです
最近彼がメディアに出てこないのは
そこら辺が浸透してきて
どこからもソッポ向かれてきてる
かららしいんですけど…」
何を言い出したんだ にの？
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作者名：43 | 作成日時：2018年11月17日 10時
