○ ページ22
「……………」
……違うってこと?
好きじゃないわけじゃないって、好きじゃないわけじゃないってことだよね…?ああ、待って、テンパって、そんな、急にだって……。
ホントに?信じていいの?
高峯…。
……って、バカか、私。冷静になろう。
だって、高峯は私のこと好きなんて一言も言ってないし、私も高峯のこと好きなんて、高峯に一回も伝えたことないじゃん。
勝手に相思相愛だと思って、確認もしてないのに当然のように…。
冗談で『好き』って言った時はあったけどほんとに冗談だし、そん時だって高峯の目物すんごい冷たかったし____
「いいよそんな汚れ仕事しなくて」
「ひょわッ!」
悶々と考えている間に、高峯はお婆さんの接客を終えたらしい。
後ろからかけられた声に驚き、畳んでた段ボールに手をついた。
「段ボール土ついてるし、制服汚れるよ」
「へ、平気」
好きじゃないわけじゃない。
その言葉が耳の辺りを蔓延って、そっけない返事になってしまった。
好きって言われたわけじゃないのに。
どうしよう、どうしよう。
嬉しい…嬉しくて…。
高峯の顔、見れない___
ついさっきまで冷静になろうと思っていたのに、いざ近くに高峯がいると、意識して口がうまく回らない。
勝手な期待が手元を震わして、自分でも分かるほど作業がぎこちなかった。
「…はい」
「…ん、え?」
高峯は私の目の前に、自分が着ていたエプロンを無愛想に差し出してきた。
差し出されたエプロンに、受け取る手はなかなかでしゃばれない。
「汚すから、使いなよ」
「え、い、いい!いいよ」
脱ぎたてのエプロンから、高峯の体温を感じることに激しい罪悪感が募る。
こんなモヤモヤしててめんどくさい女に着させるのは違うよ高峯!
「……………」
無言で見つめられ、一番に気にしたのは自分の顔の色だった。
さっきもあったけど、その無言の圧はなんなの⁉︎
こちらを見つめる視線には、耐えられない。目を逸らし、体も高峯がいる方とは逆に向けた。
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5674C(プロフ) - たまたまきんきんさん» 嬉しいお言葉恐縮です!ありがとうございます!! (2022年5月23日 12時) (レス) id: e6d0696709 (このIDを非表示/違反報告)
たまたまきんきん(プロフ) - やばい、まだ全部読んでないけどやばい、何このときめき、やっば。狂いそう。 (2022年5月18日 14時) (レス) @page27 id: 4c9c318806 (このIDを非表示/違反報告)
5674C(プロフ) - 彩さん» 意識しました!!!!読んでいただきありがとうございます! (2022年3月21日 0時) (レス) id: e6d0696709 (このIDを非表示/違反報告)
彩 - なんだかめっちゃ青春!!! (2022年3月20日 16時) (レス) @page48 id: be844da8b2 (このIDを非表示/違反報告)
5674C(プロフ) - ちゅーしちゃうぞ♡さん» ありがとうございます!!最後まで楽しんでいただけて、とっても幸いです!!^ ^* (2022年1月17日 6時) (レス) id: e6d0696709 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:5674C | 作成日時:2021年12月27日 14時