Happy Dream【短編集】

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瑞稀「A、相変わらず俺の手好きだよな」









触っていた携帯を、近くに伏せながら置いて


私の頭を撫でながらそう微笑む彼









「うん、」


「なんか瑞稀の手、すごく好きなんだよね」









私が、瑞稀の膝の上に対面するように座り


細くて、でも大きいその手のひらを掴んで
なんとなく にぎにぎ していると









窓から差し込む、

夕方独特の太陽が優しく私たちを照らす









瑞稀「そんなに好き？」






「ん。」

「ずっと触っていられる」









別に、手フェチなわけじゃないけど

瑞稀の手はすっごく好きなの……









無言で彼の左手をずっと触っていると





「……、？」






彼に向けられている目線を感じた、









瑞稀「いや、…俺はAの手の方が好きだけどなって」




「私の手？」




瑞稀「だって、ちっちゃくて可愛いじゃん」









と。




君は、自分の手から私のをとって
指を一本一本絡ませる









突然の、彼の甘さに恥ずかしくなってしまって

ちょっとだけ目線を逸らしたら








君が私の頬を掴んで

その優しい唇と、私のをくっつけた










ちゅっと、甘い音をたてながら


2人が離れれば
まだ夕方なのに、そういう雰囲気になりかけて。









「ね、夜ご飯どうする？」









急いで、

私は話題を変えた









瑞稀「ああ。その事なんだけど…」




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