照くん、離れてください！ (ページ20)

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「お前ら展開進みすぎだろゴラァァァァァァ！！！！」

空き教室にて。

目の前のスモーキーさんの頭から湯気が立ってる。

「キスは我慢したんだからそんな怒んなよ」

「そういう問題じゃねえんだよぉ！！」

「うっせえよ！！ってか、お前だって秘密バラしたくせに人のこと言えねーじゃん！！」

他に誰もいないからって2人とも騒ぎ放題。

それを、遠くの席で頬杖ついて眺める、
私と佐久間先輩。

「…はあ。阿部ちゃんが怒るなんて5億年ぶりに見たよ。」

『それは…ゆゆしきじたいですね』

「他人事みたいに言うなよ……てかさあ、」

『あい』

「何で鼻にクリップ挟んでんの？」

スマホに反射する私の顔の滑稽さといったら…。

風邪もちゃんと治り、
あの夜から数日経って、久しぶりに照くんに会った時。

私の名前を呼びながら近づくたびに、

身体がどんどん熱を帯びていって、

『すとぉーーーっぷ！！！！！！』

…結局、振り出しに戻ってしまった。

違うのは、その理由を彼がちゃんと理解してるってことだけ。

『…こうしないと、ひかるくんのそばにいられないんです』

「へえ〜……じゃあ、それ取ったらどうなっちゃうの？」

おっきな目をキラキラさせて面白がるから、

彼も私も死ぬかもしれませんね

『…ぜんぶせんぱいのせいになりますけど、いいですか？』

「いえ、結構です…」

…なんて、ちょっとだけからかっちゃった。

「…まあ、元気になったのはいいけどさあ？
ずーっとそれしてるわけにはいかなくね？」

「わかる。店に来ても、あれだけコーヒーのいい香りがするのに、
照のせいで味わってもらえないなんてやだなあ〜」

「俺のせいかよ！？……俺のせいか」

いつのまに私たちの会話に入ってきたふたり。

てか、喧嘩終わったんだ。

「もうさーーーいっそひかるも吸血鬼になっちゃえばーー？？」

「それは俺も考えました」

「いや考えるな！！」

人間3人、ちんちくりんな吸血鬼を囲んで、
あーでもないこーでもないをずっと言いあってる。

もん、としていると、とある人から、

画面にぽんぽんと文字たちが浮かんだ。

『みんなごめん、ちょっと用事、』

何事かと驚く3人の声を無視して、

バッグを持って慌てて教室の外へ飛び出した。

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"こいつしぬかも"