06 ページ7
媚i薬を作るため
私達は後宮の医局へとやってきた
(さすが…品揃えは1級品だな)
猫姐は小躍りしているし、医官殿はお茶の準備中
私は壬氏の付き人の高順に薬の材料を包むための
髪やら書き記す筆を準備をして貰っていた
「猫姐、作らないなら私帰るよ〜？」
ハッとこちらを見る猫姐を見流して早速準備へと
移る
「まずは、砂糖と蜂蜜、それに…」
「すみません、
あの1番上の物を取ってくださいますか」
私は抽斗の中身にがっかりする
猫姐の手元を覗き込み
「これじゃ、到底足りませんね」と告げた
するといつの間に来てきたのか壬氏が
物の匂いを嗅ぐ
「薬i物の匂いを嗅ぐときは注意しないと
失神しますよ」
え…と青くなる高順を
余所にこの物の名前を尋ねる壬氏
(お気楽なものだな)
「これは加加阿というものです、西のさらに
西の南方にあります」
ふむ、と考える壬氏
「…足りないなら用意すればいいだけの話だ」
(交易品でも探すのだろう)
__________________________
(牛乳、乳酪、砂糖、蜂蜜、蒸留酒、
乾燥した果実、匂い付けの香草油……)
手に入った加加阿は粉末状の物でこれくらいの量
あれば充分だろう
.
ちなみにこの場に猫姐は居ない
何か用事が入ったとかで私にレシピを渡すだけ
渡してどこかへ行ってしまった
猫姐は1度だけこの巧克力を食べた事があるので
作り方や原材料は記憶しているのだろう
(あの時は大変だったなあ)
あの時の遊郭の慌て具合を思い出しながら
媚i薬を作り始めた
加加阿の粉末と砂糖を鉢に移し、乳酪を刻んでいれ
湯煎にかけひたすら練る
そして、牛乳や蒸留酒、香草油をいれ調節したら
タネは完成
あとはそれに乾燥した果実を潜らせて
水瓶の気流を利用して冷やす。
(あとは待つだけ)
結構タネが余ったので麺麭を立法体に切り
浸して猫姐の点心を作った
(これは冷やさなくてもいい…から)
あとは洗濯や雑用をこなして、
私の1日は終わるはずだった、
あのお喋り3人娘が巧克力麺麭を食べなければ、ね
(年頃の娘だからかその…随分と…)
そんな他人事に考えていると猫姐が紅娘に頭を
はたかれていた
「とりあえず、効力は分かった」苦い顔をして言う
3人の着物を戻しながら
「すみません、猫姐の夜食にと作ったのですが
点心と勘違いしたようですね」
壬氏は顔をきょとんとさせる
「これじゃないのか？」
「お渡しするのはこちらです」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 571人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
抹茶タピオカ2号(プロフ) - 全部読ませていただきました！とても面白かったです！( ≧∀≦)ノ (2020年6月19日 13時) (
レス) id: 48661705e7 (このIDを非表示/違反報告)
鵜久森(プロフ) - ハルさん» コメントありがとうございます！二人の関係はお楽しみですね、笑 (2020年1月1日 23時) (レス) id: b3c4559ac8 (このIDを非表示/違反報告)
鵜久森(プロフ) - 蘭さん» なんと！偶然ですね^^楽しんで頂けたようでなによりです！ (2020年1月1日 23時) (レス) id: b3c4559ac8 (このIDを非表示/違反報告)
蘭 - 奇跡的に本名とデフォが一生で読みやすかったです！話もとても楽しくて久しぶりに素敵な作品に出会いました！ (2019年11月27日 9時) (レス) id: 871a4e4c3f (このIDを非表示/違反報告)
ハル - 番外編０２の壬氏さんがかっこよすぎて死にそうになりました笑 これからの２人の関係が気になります！更新頑張ってください(*'▽') (2019年11月10日 11時) (レス) id: 805e2c1757 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：鵜久森 | 作成日時：2019年4月14日 17時
