番外編02 ページ14
どすっと重い音をたてて下に落ちたが不思議と
痛みは感じない。
「うぇ？壬氏さまではないですか！」
急いで上から退くと
きゅ、と抱きしめられる
「なんで泣いている、」
壬氏からも酒精の匂いがした
「そういう壬氏さまからも涙が流れております」
「俺はいい。お前に聞いている」
「…これは酔っ払いの独り言だと思ってください。
一方通行の想いや愛は殆ど
実を結ばないと思いませんか、その伝えたい想いが熱く、重いほど相手には伝わらないと私は思います」
壬氏は少し苦い顔をするが、Aには見えていない
「それで、？」
「或る人をずっと待ちわびて、最後に呪詛を吐いて
醜く死んでいくなんて…本当に愚かです
…呪詛なんて吐くくらいなら、一度くらい名前を…
呼んでくれても良かったではないですか。
一度くらい、愛していると、愛しいと…」
どれだけ書物を読んでも
その答えは書いていなかった
「…A。」 「え、」
「そんなに
名前を呼んでほしいのなら俺が呼んでやる。
だから、泣くな。」
「いえ、そういう意図では、」
「A、お前はよく出来た子だ。
お前の才能は毒にも薬にもなる、それは他人にも
勿論自分に対しても、だ。
その毒で自分の首を絞めてはいけないよ」
ぽんぽんと背中を叩きながらそう話す壬氏に思わず
縋り付き涙を流してしまった
秀才止まりの壬氏にはきっと分からない世界なの
だろうとただ泣き続けるAの背中を叩き続けた
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
抱いていた体ならいつの間にか震えを止め
規則的な寝息が響いていた
「お前が俺達とあからさまに一線をひいているのは
やはり勘違いではなかったか。
…お前が一線を引くなら俺は引かなくてもいいよな
なあ、お前がどうしようもなく愛おしいよ。
愛しているよ、A」
✎＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
壬氏はギャップ萌えで落ちたし
夢主は泣き上戸だったってやつですね
ちゅーさせたかったなあ
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抹茶タピオカ2号(プロフ) - 全部読ませていただきました！とても面白かったです！( ≧∀≦)ノ (2020年6月19日 13時) (
レス) id: 48661705e7 (このIDを非表示/違反報告)
鵜久森(プロフ) - ハルさん» コメントありがとうございます！二人の関係はお楽しみですね、笑 (2020年1月1日 23時) (レス) id: b3c4559ac8 (このIDを非表示/違反報告)
鵜久森(プロフ) - 蘭さん» なんと！偶然ですね^^楽しんで頂けたようでなによりです！ (2020年1月1日 23時) (レス) id: b3c4559ac8 (このIDを非表示/違反報告)
蘭 - 奇跡的に本名とデフォが一生で読みやすかったです！話もとても楽しくて久しぶりに素敵な作品に出会いました！ (2019年11月27日 9時) (レス) id: 871a4e4c3f (このIDを非表示/違反報告)
ハル - 番外編０２の壬氏さんがかっこよすぎて死にそうになりました笑 これからの２人の関係が気になります！更新頑張ってください(*'▽') (2019年11月10日 11時) (レス) id: 805e2c1757 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鵜久森 | 作成日時：2019年4月14日 17時
