検索窓
今日:8 hit、昨日:34 hit、合計:228,107 hit

問4:貴方は誰? ページ4

敦を抱えた儘、身軽に動く金髪。足音立てること無く、木の幹に着地した時はこの人本当に凄い人だと敦は思った。


「とりあえず、足場悪いけど此処に下ろすね。大丈夫? 立てる?」
「えっ、あ、はい!!大丈夫です、立てます!!」

静かに、ゆっくりと丁寧に下ろしてくれた。周りが暗いせいか、顔は見えない。
気がつけば隣に立っていた人は居なくなっており、下に降りていた。

鬼が、大きく踏み出す。腕を振り切れば人の首を掻っ切る事になるだろう。危ない、敦がそう叫ぼうとした瞬間。

男は腰に指していた刀の柄を握り、抜刀する。そしてそのまま、流れるように男が鬼の首を掻っ切た。

鬼の首と頭が離れる。鬼は目を見開いていた。


「キサマは――『鬼殺隊』」


胴体が消え、頭も消えた。
安心したのかどうかは分からない。男の膝がガクガクと笑い始めた。敦は慌てて木からおり、男に駆け寄る。


「だ、大丈夫ですか!?」
「ひっ、こ、来ないでぇぇええ!!」


ピタリと敦の足が止まる。男の顔が漸く見えたからだ。男の顔は敦よりも少し幼さを残しており、もうしかしたら敦よりも年下かもしれない。身長だって敦の方が高い。


「き、君、さっき虎に変身してたよね!? 相手が鬼だったから助けたけど――ひえっ!!」


よくよく見れば未だ敦は異能力を解除していない。故に、手足は白虎の状態でそれを見てしまった男、否、少年の顔色は更に青くなる。


「俺を食べても美味しくないからね!? だから食べないで!! 未だ死にたくないの!! …あ、詰んだわ俺……」
「いや、食べませんから!!」


敦はそう言うと異能を解除し少年に手を差し出した。


「さっきは助けてくれてありがとう。僕の名前は中島(なかじま)(あつし)。君の名前は?」


金髪少年は恐る恐る敦の手を握り言った。


我妻(あがづま)善逸(ぜんいつ)

問5:ひょっとして迷子?→←問3:これがバケモノ――いや、『鬼』?



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (226 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
283人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

美弦 - ですけどこの作品は本当に面白くて自然とスクロールする指が動いていました。素晴らしい作品をありがとうございます! (3月28日 1時) (レス) id: 05b5571ecf (このIDを非表示/違反報告)
美弦 - 私、あんまり成り代わりとくじゃないん (3月28日 1時) (レス) id: 05b5571ecf (このIDを非表示/違反報告)
国木田 独歩 - アニメを作ると面白いと思うぞ! (2020年3月26日 14時) (レス) id: 4af845f6bd (このIDを非表示/違反報告)
包帯無駄使い装置 - やっぱりどんなときでもどんな場所でも太宰さんはかっこいいなー今度は太宰さんが主人公で!って無理ですよね私はとにかく太宰さんが大好きです!今回のはとーってもおもしろかったです! (2020年3月26日 14時) (レス) id: 4af845f6bd (このIDを非表示/違反報告)
月下の君に吠える(プロフ) - 雷の呼吸の使い手が柱になると鳴柱になると思います… 多分なんですけど…  とっても面白いです! (2020年2月9日 21時) (レス) id: a219a83582 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:フ瑠ラン | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2019年6月27日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。