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崩れてしまった過去 ページ3

珍しく母が材料を買い忘れていて、仕事に出かける前母は私に買い出しを頼んだ。頼られた事が嬉しくて私は頷いた。

仕事に行く母と父を見送り、兄に一言告げて私は頼まれていた買い出しへと向かう。母と父は仕事が忙しいにも関わらず、ちゃんと夜には帰ってきて一緒に皆でご飯を食べてくれる。
その代わり会社で出来なかった仕事はいつも家でやっているけれど。

買い出しが終わって家に帰る。家の周りには黒い車が沢山止まっていて疑問に思った。家に入れば普段寝ている兄が起きていて、玄関で立っていた。

どうしたの?と聞けば兄は悲しそうな顔をして私を抱きしめた。兄は中々私を離そうとしない。一体何があったんだろうか。家の周りに止まっている車が原因なんだろうか。

数分の間、ずっと私を抱きしめていた兄だが、漸く離してくれた。兄の顔は苦しそうで、泣くのを我慢している顔だった。

そして、何かを決意した顔になると兄は云った。

「父さんと母さんが殺された」と。

信じられなかった。だって父と母は迚強くて。無敵で最強で。死ぬとしたら寿命だと思っていたから。だから尚更、こんな形で。

私は泣き叫んだ。
兄はずっと私を抱きしめていた。


楽しかった日常が壊れた音がした。

現実は厳しかった過去→←憧れていた過去



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作者名:フ瑠ラン | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2019年5月30日 16時

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