検索窓
今日:1 hit、昨日:15 hit、合計:12,203 hit

津島の推理 ページ7

昔の自分が人殺し(やんちゃ)している処を目撃し厭になる。未だあの事件があっていない為、やんちゃしまくりだ。

気づかれない内に退却すると公園の腰掛(ベンチ)に座ると頭の中を整理し始めた。

先ず、私は死んだ。慥かに死んだ。胸を刺され即死したのは自分が痛い程判っているし知っている。なら、此処は何処なのか。

此処はきっと『過去の世界』だろう。死んだ筈の織田作が生きて居るのも、黒い外套を着た小さい私が居るのも全てそう考えれば納得がつく。

そう考えると次に疑問が浮かび上がって来るのは如何やって私が此処に来たか、と云う点だ。之はきっと誰かの異能のせいだろう。

私は異能が効かない。けれど其れには『例外』な場合が一つだけ有る。其れは『私の心臓が止まった時』だ。心臓が止まると異能は私が死んだと認識する。すると常時発動型の私の異能は止まるのだ。だが、人間は心臓が止まっても数分は未だ『脳』が生きている。脳が生きていれば与謝野さんの異能だって私に使えるし他の異能もそうだ。きっと私を過去に飛ばした相手は其の『数分』を狙ったのだろう。

此処は過去の世界。何故私が若くなっているとかそこら辺はこの際如何でもいい。問題は1つの世界に『太宰治』が二人居ると云うことだ。

世界に同じ人間が存在していていいのか。きっと其れは駄目だろう。だから私は織田作に『津島修治』と偽りの名を教えた。

『太宰治』がこの世界に二人居ることでこの世界が崩壊して行くのなら其れは何としても避けたい。けれど戻りたいと願った過去に来れたのだ。1つ位私の後悔を消してもいいじゃあないか。

私の後悔。其れは『織田作を死なせてしまったこと』。この世界の織田作は死なせない。私が裏で手を回してこの世界の私、そして織田作を表の世界、人を救う側に、武装探偵社に入れる。


だからお願いだ。如何か織田作、死なないで呉れ。仮令其れに織田作が抗おうとも私は何が何でも織田作を光の世界に導く。昔、織田作が私にしてくれたように。

津島修治→←黒い外套に黒髪の蓬髪頭の男



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (39 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
60人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

wayu0112(プロフ) - こういう話好きです! (2019年11月8日 0時) (レス) id: 3e063600b4 (このIDを非表示/違反報告)
光希(プロフ) - とても面白かったです。更新楽しみにしています!! (2019年7月13日 22時) (レス) id: cfe2cc8d41 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:フ瑠ラン | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2019年2月16日 15時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。