津島の推理 ページ7
昔の自分が
気づかれない内に退却すると公園の
先ず、私は死んだ。慥かに死んだ。胸を刺され即死したのは自分が痛い程判っているし知っている。なら、此処は何処なのか。
此処はきっと『過去の世界』だろう。死んだ筈の織田作が生きて居るのも、黒い外套を着た小さい私が居るのも全てそう考えれば納得がつく。
そう考えると次に疑問が浮かび上がって来るのは如何やって私が此処に来たか、と云う点だ。之はきっと誰かの異能のせいだろう。
私は異能が効かない。けれど其れには『例外』な場合が一つだけ有る。其れは『私の心臓が止まった時』だ。心臓が止まると異能は私が死んだと認識する。すると常時発動型の私の異能は止まるのだ。だが、人間は心臓が止まっても数分は未だ『脳』が生きている。脳が生きていれば与謝野さんの異能だって私に使えるし他の異能もそうだ。きっと私を過去に飛ばした相手は其の『数分』を狙ったのだろう。
此処は過去の世界。何故私が若くなっているとかそこら辺はこの際如何でもいい。問題は1つの世界に『太宰治』が二人居ると云うことだ。
世界に同じ人間が存在していていいのか。きっと其れは駄目だろう。だから私は織田作に『津島修治』と偽りの名を教えた。
『太宰治』がこの世界に二人居ることでこの世界が崩壊して行くのなら其れは何としても避けたい。けれど戻りたいと願った過去に来れたのだ。1つ位私の後悔を消してもいいじゃあないか。
私の後悔。其れは『織田作を死なせてしまったこと』。この世界の織田作は死なせない。私が裏で手を回してこの世界の私、そして織田作を表の世界、人を救う側に、武装探偵社に入れる。
だからお願いだ。如何か織田作、死なないで呉れ。仮令其れに織田作が抗おうとも私は何が何でも織田作を光の世界に導く。昔、織田作が私にしてくれたように。
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wayu0112(プロフ) - こういう話好きです! (2019年11月8日 0時) (レス) id: 3e063600b4 (このIDを非表示/違反報告)
光希(プロフ) - とても面白かったです。更新楽しみにしています!! (2019年7月13日 22時) (レス) id: cfe2cc8d41 (このIDを非表示/違反報告)
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