家 ページ4
真逆家に連れて行って呉れるとは思ってもみなかった。織田作の行きつけの店に連れて行かれると思っていたからだ。
「如何して私を家に連れてきたんだい？」
「お前は太宰と似ている。性格も似ていると知っているからな。太宰に何時か逢わせたいと思ったんだ」
「へえ、私も逢ってみたいねえ」
『この時代の太宰に』そこ迄は云わず笑って抑えた。
「何時か逢える」
「私もそんな気がするよ」
織田作は暫く私の顔を見つめると云った。
「津島、
「おや？織田作が作って呉れるのかい？」
「嗚呼、津島が食べられるのならな」
私は織田作の言葉を聞いてフッと鼻で笑って云った。
「どんな
私は先程の言葉を前言撤回したい。
「う…ん、辛い」
言葉では表せない程辛い。辛すぎる。
「そうか？普通だと思うんだが」
『織田作の普通は矢張り変わっているね』そう云いたかった。然し今の私は”太宰治“では無いのだ。親しい仲でも無い私が云えた事では無い。
「辛くない咖喱は咖喱じゃない。私はそう思うんだ」
「…食べられないのにそんな事を云えるお前は……凄いな」
こんな他愛も無い日常が楽しくて仕方なかった。
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wayu0112(プロフ) - こういう話好きです！ (2019年11月8日 0時) (
レス) id: 3e063600b4 (このIDを非表示/違反報告)
光希(プロフ) - とても面白かったです。更新楽しみにしています！！ (2019年7月13日 22時) (レス) id: cfe2cc8d41 (このIDを非表示/違反報告)
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