逝った先は――【文豪ストレイドッグス】 (ページ3)

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織田作之助と云う人物ページ3

「嗚呼、織田作之助だ。お前とは初対面の筈何だが…知っているのか？」

織田作にそう聞かれ私は慌てて頸を横に振った。

「適当に云っただけだよ。真逆中るとは思わなかったけれどね」

私がそう云うと織田作はあっさりと信じ「そうか」と云った。

「お前の名は何だ？」

「太宰に似ているが…兄弟か？」そう織田作に問われた。如何答えようか。思考を巡らし考えた答えは。

「太宰？誰だい？私は津島(つしま)修治(しゅうじ)。君の云う“太宰”とは赤の他人だよ」
「…知り合いに似ていたものでな。そうか」

「立てるか？」と織田作が手を差し伸べる。そんな彼を見て私は少し笑ってしまった。

「如何した？」
「否、何でも無いよ」

「有難う」彼に礼を云うと織田作の手を掴み立ち上がった。

自分の躰は小さくなっていた。一言で云うなら未だ織田作が生きていた位の自分の姿迄。服や容姿は変わっておらず変わったのは年齢位だろう。

「其れにしても織田作。君は何でこんな処に来たんだい？」

服に着いた埃や砂を叩き乍私は云った。

「近所に住んでいる若造が『倉庫の中で暮らしていれば死ねるかもしれない！』そう大声で叫んでいたものを偶々聞いてしまってな。気になって見て見たら本当に居た」
「態々見に来たのかい」
「性格から顔まで本当にお前は知人と似ているな」

そう云って織田作は歩き始めた。

「………」

織田作の後ろ姿をボーと眺めていると織田作は歩く足を止め振り返って云った。

「如何した？来ないのか？」
「行っても…いいのかい？」
「嗚呼、当たり前だ」

矢張り彼は、織田作は最高だ。
同時に死なせたくないと思った。