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真実を知る中也 ページ13

「うふふ、今頃は中也怒り狂ってるだろうねえ」


黒い外套に黒髪の蓬髪頭。この時代の太宰治は今頃怒り狂ってるだろう中也の事を想像して笑っていた。

太宰が仕事をサボって約三時間。そろそろ中也から怒りの電話が来てもいい筈なのだが来る気配は全く無い。太宰は疑問に思い乍ポートマフィアに足を向けた。

ポートマフィアに帰ると廊下で中也とすれ違う。いかり狂っては…無さそうだ。更に疑問に思う。


「急に居なくなったと思ったら手前こんな処に居たのか」
「あれえ?中也怒ってないの?」
「あ?怒る?」


首を傾げる中也に私は「だって私、さっき迄仕事サボってたでしょ?」と云う。すると中也は「何云ってンだ」と私に云った。


「仕事はさっき手前が全部片付けてただろ」


「頭が沸いたか」そう云う中也に私は「中也の頭が沸いてるんじゃあ無いの?」と云い返した。


「其れにしても手前、何時外套変えたんだよ」
「はあ?」
「さっき迄砂色の外套だっただろうだろうが」


砂色の外套、其れが何かに引っかかった。砂色の外套、其れはつい最近聞いたばかり――。


『違うとしたら外套の色位だろう。彼奴は砂色の外套だ』


慥か織田作が云ってた私に似てる津島修治の外套の色が――。


「中也、君其れ人違いだよ」
「ああ?人違い?」
「中也の云っている彼は私じゃなくて『津島修治』と云う名の青年だ。現に私はさっき迄外を散歩して仕事なんて遣った記憶が無い」
「そう云えば『人違い』だのなんだの云ってた気が――」


私は大きく溜息を着くと中也に云った。


「君、何してるんだい。私と間違えて一般人をポートマフィアに入れるなんて。其れも書類仕事迄」
「否、拷問もした」
「はあ!?本当何やってるのさ!!今頃彼はグロッキーだよ!!」
「……………」

名探偵→←頭の硬い蛞蝓



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wayu0112(プロフ) - こういう話好きです! (2019年11月8日 0時) (レス) id: 3e063600b4 (このIDを非表示/違反報告)
光希(プロフ) - とても面白かったです。更新楽しみにしています!! (2019年7月13日 22時) (レス) id: cfe2cc8d41 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:フ瑠ラン | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2019年2月16日 15時

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